マスターズ延期に松山英樹「仕方がない」 突然のオフに困惑も
男子ゴルフの松山英樹は13日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期(時期未定)されたメジャー第1戦「マスターズ」(ジョージア州・オーガスタナショナルGC)について、主催者の判断に「残念というよりは仕方がない」と理解を示した。単独首位スタートを切っていた米ツアー「ザ・プレーヤーズ選手権」(フロリダ州TPCソーグラス)が12日夜に中止となり、13日午前に会場近くの宿泊先を後にした。
マスターズの延期に先んじて、米男子ツアーは4月初旬までの5大会が中止になった。松山は「驚きはあまりなかったです。いつかは(中止に)なると思っていたところが、ちょっと早まった」と淡々と話した。プレーヤーズ初日に出した「63」が“幻の大会最少スコア”になったが、「なんとも思いません。良いプレーができたという記憶を自分に残せた」とうなずいた。
米国では11日にドナルド・トランプ大統領が一部諸国を除く欧州からの入国を制限し、13日には国家非常事態を宣言した。その間、全米プロバスケットボール(NBA)がシーズンを中断、メジャーリーグ(MLB)も開幕延期を発表。「もう、こればかりは仕方ない。仕方がないでしょう。他のスポーツが次々とやめていることを考えれば」と押し寄せる自粛ムードを受け止めた。
米国の男女ツアーはともに4月上旬まで試合がなく、他のプレーヤーと同様、松山のスケジュールも白紙になった。ツアーの再開時期を気にしつつ、「まずは自分たちが感染しないように。いまはその可能性がどこに行ってもある」と自身と家族、近い関係者の健康状態を心配した。
突然訪れた思わぬオフに「どうスケジュールを組むか。その後の日程も決まっていないので、分からない」と困惑する様子も見せた。それでも「もし、やる(再開する)となったときに準備をしていないのが一番ダメだから、準備だけはしたい」と気を緩めない。「いまやっていることを続けて、さらにレベルアップをして、次の試合が行われるときにはすごいプレー、いいプレーをしたい」。この日もオーランドの自宅に戻って練習をするつもりだという。
未曽有の事態に「こういう状況で、悲しんでいる人も、苦しんでいる人もいる。元気づけられるように頑張るしかない」と顔を上げた。(フロリダ州ジャクソンビル/桂川洋一)