小平智 ポイントランク200位以下からの逆襲なるか
◇米国男子◇ザ・ホンダクラシック 事前情報(25日)◇PGAナショナル・チャンピオンコース(フロリダ州)◇パー70(7125yd)
PGAツアーのフェデックスカップレース対象の2019―20年シーズンは全49試合。すでに20試合を消化し、いよいよ中盤戦に入った。小平智のポイントランキングは現在204位。前週は「WGCメキシコ選手権」の裏で行われた「プエルトリコオープン」で予選落ちしたが、苦境をどこまでも前向きにとらえている。
今週の会場PGAナショナルには昨年、大会に初出場した記憶と、約5年前の思い出が詰まっている。まだ日本ツアーで活躍して間もなかった2014年12月、当地で米ツアーの最終予選会を戦い、出場権獲得に至らなかった。
夢に破れ、また夢を大きくした場所。「ずっとアメリカに行きたいと思っていた。安定を求めるなら日本だけど、ゴルフがうまくなりたい一心でやってきた。何事も挑戦」だという。その先に確かに、現在のツアーメンバーという身分があった。
シード最終年となる今季、このままではそれも手放すことになる。8月のレギュラーシーズン終了までにフェデックスカップポイントランキング125位に入ることが使命。200位から漏れれば、下部ツアー選手との入れ替え戦にも進めない。ハードルは週を終えるごとに高くなっていくが、「前半戦は出られない試合も多かった。ここから本格的に始まるという気持ち」と小平のやる気は尽きない。
開幕2日前には18ホールを回ってコースをチェックした。ショットの調子は1カ月近く、良い状態が続いているという。硬く締まったグリーンをどう攻めるか。「ちゃんとマネジメントすればチャンスは出てくる。どこに落とすかをちゃんと考えないと。キャディさんと話しながらやりたい」と、今年はまず決勝ラウンド進出を果たしたい。
「今は辛い時期ですけど、こうやってQT(予選会のとき)とは違う形でツアーに出ている。人から見たら苦しそうでも、僕としては幸せなので。こんな環境でゴルフをできていること自体が幸せ。日本では考えないことを、考えさせてもらっている環境に感謝です」。謙虚な姿勢で浮上のきっかけを探していく。(フロリダ州パームビーチガーデンズ/桂川洋一)