ホールアウト後に知った悲劇 ウッズはコービーの死に「信じられない」
◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 最終日(26日)◇トーリーパインズGC(カリフォルニア州)◇サウスコース(7765yd、パー72)
タイガー・ウッズがその悲劇を知ったのは、最終18番を終えたあとだった。この日の朝、元NBAロサンゼルス・レイカーズのレジェンドプレーヤー、コービー・ブライアント氏を乗せたヘリコプターが墜落し、乗客全9人が死亡した。
キャディのジョー・ラカバは、ラウンドへの影響を懸念して、ウッズにこのことを伝えていなかった。「なぜギャラリーたちが、『マンバのために頑張れ!』(※ブライアント氏のニックネームはブラックマンバ)って言っているのか理解できなかった。18番グリーンから降りるときにジョエイ(ジョー)から聞いたんだ。彼がもういないという現実が信じられない」とうつむいた。
ウッズは幼少期からレイカーズの大ファンだった。ブライアント氏の現役時代、ウッズがカリフォルニアに住んでいた頃は、一緒にトレーニングをしたこともあったという。フロリダに拠点を移してからも、折に触れて連絡を取り合っていた。
「われわれは、より精神的につながっていた。彼は細かい部分、小さなことに注意を払っていた。夏のオフシーズンにジムで過ごす時間、ショットや数々の練習。試合中の彼の動きは自然にできるように見えたけど、それ以上の時間、彼は映像を見て、なにが良くなるためにベストの道なのかを考えていた。その点でとてもよく似ていた」
41歳の若さでこの世を去ったブライアント氏。ヘリコプターには、まだ13歳だった娘のジアナさんも同乗していた。「人生がとても儚いものだということは、みんな知っている。いつ消えてしまうかわからないし、生きている瞬間に感謝しないといけない。いま、彼の家族たちがどんな想いを抱いているか、想像すらできないよ」と、ウッズは沈痛な面持ちで語った。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/今岡涼太)