ZOZOに“劣る”フィールドも 松山英樹はまさかの出遅れ
◇世界選手権シリーズ◇WGC HSBCチャンピオンズ 初日(31日)◇シェシャンインターナショナルGC(中国)◇7264yd(パー72)
白と赤のリーダーボードにアンダーパーを示す数字が並んでいく。松山英樹はその様子を眺め「カンタンなのかな…と思って見ていた。僕はそう思わなかった」という。2016年に優勝した大会で初日「75」をたたいて3オーバー、出場78人中70位タイ。2位で終えた前週「ZOZOチャンピオンシップ」よりも選手層が薄いフィールドで大きく出遅れた。
コース難度を大きく上下させる上海の風はこの日、穏やかだった。松山は第2打をグリーン左奥に外した序盤11番でボギーが先行。14番(パー5)、UTでの2打目をグリーン左のバンカーまで運んで奪った最初のバーディも、起爆剤にならなかった。15番ではフェアウェイからの2打目をピンとは逆のグリーン左の面に。3パットですぐにボギーとした。
パターは直近2試合で握ったスコッティキャメロンのセレクト スクエアバックプラスから、ピン型のプロトタイプモデルにスイッチした。「うまく打てているので続けられるように」と好感触を得ながら、スコアにつながらない。最終9番はフェアウェイバンカーからグリーン右の池にこぼし、締めくくりはダブルボギーに。「毎年、池に入れている。今年も入っちゃったな…と」。淡々と振り返り、フラストレーションを表に出そうとしなかった。
タイガー・ウッズと優勝を争った日本での「ZOZOチャンピオンシップ」は最終ラウンドが28日(月)までもつれた。「疲労? あるけれど、ゴルフをやっている最中は感じないので、ただうまく打てなかったのが悔しい」。ラウンド中に腰を気にする様子を見せても「疲れというより、きょうの朝、いきなり(思うように)動かなくてビックリしたけど大丈夫です」と気丈に振る舞った。
出場者の世界ランキングに応じて決まる、大会ごとの選手層を示すSOF(ストレングス・オブ・フィールド)は、「ZOZO」が526だったのに対し、今大会は世界選手権シリーズながら484に下がった。応じて優勝者に付与される世界ランクポイントは64ptから60ptに降下。それだけに、松山にかかる期待は今週も人一倍だ。
5人の日本勢では最下位のスタート。「きょう悪かったので、あしたはきょうの分を取り返すようなゴルフができたらいいなと思います」。もちろん、このままでは終われない。(中国・上海/桂川洋一)