初のハンディキャップ戦 ポイントランク上位選手はどう見る
◇米国男子◇ツアー選手権 事前情報(21日)◇イーストレイクGC(ジョージア州)◇7346yd(パー70)
30人のエリート選手が出場するシーズン最終戦「ツアー選手権」はことしからツアー競技では異例のハンディキャップ戦となった。プレーオフシリーズ第2戦までのフェデックスカップポイントランキング順にストローク差をつけてスタート。トップのジャスティン・トーマスは10アンダーから、後続の選手に最大10打差を持って72ホールを戦う。
前週の「BMW選手権」で今季初勝利をマークし、ランク1位に躍り出たトーマスは同2位のパトリック・カントレーを2打リードしてティオフする。「まだ深く考えていない。あしたは不思議な気持ちになるだろうね」と心境は少し複雑な様子。「でも正直言って、誰も経験したことがないから…。みんながゼロからスタートする(普段の)試合みたいに、72ホールで一番少ないスコアを出そうと思う。そうすれば何の問題もない」と、アドバンテージを考えずにラウンドする姿勢を示した。
そのカントレーも落ち着きはらって戦況を見据える。「僕はジャスティンより2ストローク以上いいスコアを出せば彼には勝てるとはいえ、それでブルックス(・ケプカ)にも勝てるとも限らない。だからあまり考えない」と打数を頭に入れるのは最終局面まで後回しにする。
レギュラーシーズンを1位で終えたブルックス・ケプカは、プレーオフシリーズ2戦の低迷から3打差の3位に“後退”した。72ホールを最少スコアで回っても優勝できない可能性があることに対し「残念だ」としながら淡々。「ゴールは勝つこと。オーガスタ(マスターズ)はトップと10打差まで予選を通過できる。今回は10打差でも4日残されている。僕は36ホールで7打差を逆転したこともあるから、どんなことも起こりうるよ」と初の年間王者のタイトル獲得に意欲を見せた。
一方で前年、年間王者に輝いたジャスティン・ローズ(イングランド)は「トップを走る選手があまり守られていない」と、長いシーズンを通じて好成績を残してきたプレーヤーが、プレーオフシリーズで逆転され、大きく後退する可能性のあるシステムに疑問を呈した。
なお、世界ランキングポイントはスタート前のハンディキャップを除く72ホールのスコアによる順位に応じて付与される見込みだ。