松山英樹は痛恨ダボからバウンスバック 締めの2ホールに巻き返しの希望
◇米国男子◇ザ・ノーザントラスト 2日目(9日)◇リバティーナショナルGC(ニュージャージー州)◇7370yd(パー71)
“もったいない”と“我慢強い”。ふたつの評価が入り乱れる。3アンダー33位から出た松山英樹は「68」で回り、通算6アンダーとして20位に順位を上げた。前半に4つバーディを決めた後、終盤16番にダブルボギー。直後の17番でバーディを奪い返す慌ただしい流れで、上位争いに踏みとどまった。
打てども、打てども入らない…序盤のグリーン上の悪い流れは5番で断ち切った。手前の段から8mのスライスラインを沈めて最初のバーディ。「たまにはね、ああいうのが入ってくれないと。ずっとストレスがたまる」と安どすると、ラフからチップインさせた9番までにさらに3つバーディを重ねた。
勢いを自ら緩める要因になったのは、13番(パー5)で外した1.5mのバーディパットだったと振り返る。2打目をUTでグリーン奥まで運びながら、取りこぼした。
迎えた16番は325ydと1オン可能なパー4。わずかに右に流れて池に入った1Wショットは「良いショットが打てたと思ったけれど、ちょっと風に流された」と淡々と振り返ったが、その後を悔やんだ。1罰打を加え、3打目のアプローチはピンを6mショートさせるミス。そこから3パットを喫した。「パーセーブできておかしくないところで、ダブルボギーにした時点ですごく良くない」と吐き出した。
トップとの差は前日の6ストロークから変わらなかった。ダボの痛手と引き換えに、終盤2ホールの踏ん張りに希望を見出す。17番は下りの5mを沈めてバウンスバック。フェアウェイからの2打目をグリーン左奥にこぼした最終18番では、4mのパーパットをねじ込んだ。「上がり2ホールは良かった。最後はパーを取れたので。ボギーだったら、もっと怒ってます」
単独首位にダスティン・ジョンソン。松山と同じく2シーズンぶりの優勝が待たれるジョーダン・スピースが通算11アンダーで1差に追走し、リーダーボード上位にはプレーオフシリーズらしいビッグネームがそろう。ギャラリーを前にペンを滑らせ、「あした、しっかり良いスコアで回れるように準備するだけ」と練習場への道を急いだ。(ニュージャージー州ジャージーシティ/桂川洋一)