「ガマンするとき」松山英樹は痛恨トリから今季2度目の予選落ち
◇米国男子◇ウィンダム選手権 2日目(2日)◇セッジフィールドCC (ノースカロライナ州)◇7127yd(パー70)
松山英樹がシーズンの終盤に2度目の予選落ちを喫した。3アンダー46位タイから4バーディ、1ボギー1トリプルボギーの「70」とスコアを伸ばせず通算3アンダー。カットラインに1ストローク及ばない84位で週末に進めなかった。
痛恨のプレーがアプローチで続いた。スタートからパーを並べた松山は、14番で花道からウェッジでの3打目をミス。インパクトの前に芝をかんで弱々しく飛び、一度乗ったグリーンから手前に戻ってきた。伸ばし合いのコースで、4オン1パットのボギーを先行。苦しい展開を自ら呼んだ。
悪夢は続く15番(パー5)から2連続バーディを奪った直後に訪れた。17番でフェアウェイからの2打目をキャリーでグリーンをショートさせて不思議がると、3打目で14番と同じミス。今度は4打目でピンを2m強オーバーさせ、下りのラインから3パットを喫してトリプルボギーをたたいた。
コースには開幕前々日から2日続けて夜に大雨が降り、この日の芝はトーナメントウィークに入って、最も多く水を含んだ。「それは関係ないですね。練習場の段階でそれくらいは分かっている。(結果は)現状ですよね。流れがうまく…(いかない)。状況判断もできていない」とコンディションを言い訳にはしない。
ただ、“トリ”の17番はショートゲームのミス直前の2打目に首を傾げる。「距離的に自分ではピッタリくらいの感覚で打っているのが10yd以上ショートしているので…。ほかのホールはあんまりそういうのはなかったんですけど、あそこだけ。アプローチに(気持ちを)切り替えられなかった要因ですかね」
後半アウトでは第2打をピンそば1mにからめた2番など、バーディは2つだけ。終盤はバーディチャンスを惜しくも逃すシーンが相次いだ。最終9番もカップ脇をすり抜けたボールを見て、思わずパターを宙に浮かせた。「入らなかったですけど、良いパットはしっかり打てた。これが流れだと思います」と悪循環を断ち切れない現状を受け入れた。
約1年間、25試合にわたって築いた予選通過の“記録”は2週前の「全英オープン」で途絶え、ここ3週で2回、決勝ラウンド進出を逃したことになる。「全体的にうまく流れに乗れれば、上位で戦っていてもおかしくない内容にはなってきている」というだけに悔しい。
次週の「ザ・ノーザントラスト」(ニュージャージー州リバティーナショナルGC)からはフェデックスポイントランキング順でカットアウトされる全3戦のプレーオフシリーズに突入。松山にとっては6年連続の最終戦「ツアー選手権」(ジョージア州イーストレイクGC)進出をかけて、緊張感のある連戦に入る。「試合、年間を通してガマンするときかなと思います」。体力面でも、精神面でも正念場だ。(ノースカロライナ州グリーンズボロ/桂川洋一)