2019年 ISPS HANDA ヴィックオープン

2ホールで失った150万円 プロ初戦・山口すず夏が感じた一打の重み

2019/02/10 17:20
終盤に失速した山口すず夏。得た経験を糧にする

◇米国女子&豪州女子共催◇ISPS HANDA ヴィックオープン最終日(10日)◇13th ビーチGC ビーチコース(オーストラリア)◇6479yd(パー72)

山口すず夏(東京・共立女子第二高3年)はプロデビュー戦で「一打の重み」をかみ締めた。一時はトップ10圏内に入ったが、上がり2ホールで3打を失い「71」。通算1アンダーの22位タイで終えた。

笑顔の裏で悔しさが募った。「この一打が響く。もったいなかった」。最終18番(パー5)、84ydの第3打は緩やかな向かい風。「終盤は緊張もあった」と54度のウェッジのハーフショットで、わずかに体が開いた。右手前のガードバンカーにつかまり、足場の悪い第4打はグリーンを超え5オン2パット。「最後で、台無しにしちゃいました」。18歳は無理に笑った。

獲得賞金は約1万1000ドル(120万円余り)。昨年末の最終予選会(Qスクール)36位と、ツアー定着には限られた試合数で5月のリシャッフル(出場優先順の入れ替え)までに結果が必要だ。「だから、なるべく上位に行きたかった」。プロになっても、父・裕之さんとの転戦は地道。夕食は父の手料理で「美味しいし、外食ばかりだとお金もかかるから」。父は航空券を手配するほか、民泊仲介サイトのAirbnb(エアビーアンドビー)で宿を探す。

「アマチュアのときは、予選を通るか、通らないかだけ。いまは一打を本当に大切にしないといけない」。仮に終盤2ホールで落とさなければ、8位タイで賞金は272万円余り。ラウンド後、労う父に「(終盤のミスで)かなり賞金は、変わっちゃいそう…」と言った。

本格参戦の米ツアーデビュー戦としては、宮里藍さん(48位)や畑岡奈紗(予選落ち)の成績を上回る。前日のホールアウト時点ではカットラインに届かず、最終日進出をあきらめていたが、後続の組が強風で停滞した。練習場でスコアを確認し、「これはいけるかも。宿舎に帰った後もどんどん順位が上がった。きのうは、午前組でラッキーだった」。

次週「ISPS HANDA オーストラリア女子オープン」(ザ・グランジGC)に出場する。「日本とはレベルも違うけど、チャンスはあると思えた。ただ、いまは悔しさの方が全然大きい」。ほろ苦いデビュー戦となったが、得た経験はいつまでも残る。(オーストラリア・バーウォンヘッズ/林洋平)

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