勝ってもアメリカには「たぶん行かない」 小祝さくらが無欲の2位
◇米国女子◇TOTOジャパンクラシック 2日目(3日)◇瀬田ゴルフコース 北コース(滋賀県)◇6659yd(パー72)
小祝さくらに初優勝のチャンスが訪れた。2日目を7バーディ、1ボギーの6アンダー「66」で回り、通算10アンダーの2位に浮上。最終18番(パー5)では「入ると思わなかったけど、最後のひと転がりで入ってくれた」と、10mのバーディパットを沈め、首位のミンジー・リー(オーストラリア)とは3打差とした。
好スコアの要因としたのは、「1回もラフに行かなかった」というティショットの安定感だ。スタート前、辻村明志コーチから同組で回るコ・ジンヨン(韓国)について、「ショットメーカーだし、うまい選手。しっかり見て、同じ流れでプレーできたらいい」と言われたという。
小祝は「リズムもプレーンも完璧だった。いままで見た中で一番綺麗なスイング」と、お手本を隣に見ながら、自身のイメージにもつなげていった。「勉強することが多くて、楽しくプレーできています」と、昨年のプロテストに合格したばかりの20歳にとって、米ツアーのフィールドは格好の学び場でもある。
今季はすでに2位が4回。ツアー初優勝を目指す小祝だが、「(優勝は)できたらいいけど、今週は厳しいと思う」と、強豪ぞろいのフィールドに余計な力も抜けている。「下から追ってくる選手もいるし、伸ばしていかないといけないので。欲はないです」とマイペースだ。
勝てば米ツアーの出場資格も得られるが、「たぶん、行かないと思います。英語もしゃべれないので」と苦笑い。「自分のプレーをしっかりして、悔いが残らないようにしたい」と、最終組で迎える日曜日を前にしても、普段と変わる様子はない。
今週、小祝のバッグを担ぐ門田実キャディは言う。「1番のティショットから18番の最後のパットまで、気持ちがずっと一定のまま。得意クラブも不得意クラブもない。それがすごい」。最終日もやることは変わらない。ただ、勝利の女神が微笑んでくれるのを待つだけだ。(滋賀県大津市/今岡涼太)