2カ月ぶりの戦線復帰 宮里美香「やっぱりここが自分のいる場所」
◇海外女子メジャー◇全米女子オープン 事前(10日)◇トランプナショナルGCベドミンスター(ニュージャージー州)◇6732yd(パー72)
約2カ月、実戦から遠ざかっていた宮里美香が、今週の「全米女子オープン」から再始動する。最後に出場した試合は、5月14日に閉幕した国内ツアー「ほけんの窓口レディース」。久々のトーナメント会場の雰囲気に「楽しい。やっぱりここが自分のいる場所」と、リフレッシュした笑顔を見せた。
宮里にとっては必要な休息だった。ちょうど1年前。リオ五輪出場を目指していた宮里は、今大会で予選落ちをして、その道を閉ざされた。「1年くらい前から計画してチームで動いて、結局入ることが出来なかった。自分の中で、意外にそのダメージが大きかった」と振り返った。
新たな目標を設定しきれず、それでも目の前の試合をこなし続けた。今年は自身の開幕を3月の「ダイキンオーキッドレディス」まで引き延ばしたが、気持ちのエンジンはかかってこない。「ただ試合に出るだけではしっくりこないし、こんな気持ちでプレーして逆に申し訳ないと思った」と、「ほけんの窓口」終了後に、急遽それ以降の予定をキャンセルする決断をした。
宮里がつぶやくようにもらす。「ここは、強い気持ちがないと戦えないですよ・・・」。
シーズン中にとった異例のオフ。宮里は「1カ月クラブを握らなかったのも初めてのこと」ときっぱりとゴルフから離れた。母親の地元である鹿児島県の喜界島を訪れたり、スポンサーであるランドローバーの計らいで、バミューダ島で開催されたヨットレース「アメリカズカップ」を観戦した。「ゴルフバッグを持たない旅行を初めてした」と、中学生以降では初めての体験で気持ちのリセットを心掛けた。
復帰の舞台として選んだのは「全米女子オープン」。「1つの目標にしている大会だし、一番雰囲気がいい。こういう雰囲気の中で楽しむゴルフをして、どれだけやれるか見てみたかった」と視線を上げた。オフをはさむ前は「楽しくなかった」というゴルフも、いまでは「楽しい」と笑顔で言える。充電期間を経た宮里が、再び戦いの舞台へと戻ってきた。(ニュージャージー州ベドミンスター/今岡涼太)