2015年 ザ・エビアン選手権

海外メジャーより難しい?野村敏京が韓国ツアー初優勝

2015/09/11 06:06
この日のパーオン率は94%(17/18)。安定したショットでスコアを伸ばした野村敏京

海外女子メジャーの今季最終戦「ザ・エビアン選手権」で、日本勢最上位となる17位スタートを決めた野村敏京。残り2ホールまでは3アンダーと首位に迫るプレーを続けていたが、17番で痛恨のダボ。決して後味の良いとはいえない3バーディ、1ダブルボギーの「70」(パー71)にも「アンダーで回れたので、良かった」とうなずいた。

今季ここまでの賞金ランキングは67位。来季の米ツアーシード権もほぼ手中に収めた野村にとって、前週はブレークスルーの一週間となった。韓国女子ツアーの「ハンファ・ファイナンス・クラシック」で同ツアー初優勝を飾ったのだ。

最終組で出た最終日は「17番まで自分が優勝するとは思っていなかった」と振り返ったが、首位に立っていた選手が最終18番でダブルボギーを叩いて、突如優勝が転がり込んだ。賞金総額は12億ウォン(約1億3000万円)と高額で、優勝賞金は約3000万円。同大会の主催者は、野村のスポンサーという巡り合わせだった。

優勝スコアは1アンダー。「ラフも長くて、フェアウェイも狭かったし、アップダウンもすごかった。海の近くで風もあった」という難コースと比べれば、今週行われている海外メジャーのセッティングも「先週の方が難しい」と苦にはならない。むしろ「ラフからも打てる」と、気楽ささえ感じている。

「今日はショットが本当に良くて、パターが入ったら6アンダーまで行けそうな感じだった。ノーボギーで行けそうだったけど、ボギーの代わりにダブルボギーがありましたね(笑)」とコメントも軽快だ。

だが、心残りが1つある。フランス・エビアンに出発したのは試合直後の日曜夜で、生まれ育った韓国でのツアー初優勝を祝う時間さえない移動だった。「ここは美味しいものがないし、早く帰りたいんですよ。友達が待っているし…」。風光明媚なコースと美食の町エビアンをもってしても、野村の郷愁は紛らせられない。(フランス・エビアン/今岡涼太)

2015年 ザ・エビアン選手権