横峯さくらの視線は“優勝”へ 垣間見えた強い意志
米国女子メジャー第2戦「KPMG女子PGA選手権」3日目に、5バーディ、1ボギーの「69」(パー73)で通算5アンダーまでスコアを伸ばした横峯さくら。全選手のラウンド終了後、順位は10位に落ち着いたが、視線はしっかりとリーダーボードの一番上を見据えていた。
前日のホールアウト後の練習で、テークバック時の新たなチェックポイントを見つけたという横峯。この日、フェアウェイを外したのは1回だけと、ショットは安定を増し、自己評価も60%から「75%(笑)」にアップした。
そこに、パッティングがかみ合った。4番で10m、5番で15mのバーディパットを沈めるなど「ロングパットの距離感がすごく合っている」とグリーン上をそつなくこなし、厳しいピンポジションの多かったムービングデーにも、着実にスコアを伸ばした。
ホールアウト時点で首位とは3打差。「狙える位置にいると思う。プレッシャーも掛かってくるけど、目標は高く優勝を目指して頑張りたい」と断言した。上位が伸ばし、首位との差は9打となったが、“優勝を目指す”という意識の芽生えが頼もしい。
今季10試合に出場して予選落ちが半分、ベストフィニッシュは8位タイ。「すぐ予選落ちもしてしまうし、実力的に劣っている部分はたくさんある」と言う。「でも、それも慣れかなとも思う…。なので、気持ちで負けないというか、自分を持ってプレーしたい」。
自分のスタイルを貫く横峯の強い意志が垣間見えたのは、2日目の1番(パー3)だった。グリーン左手前にあるバンカーのすぐ先に切られたピンに対し、ティショットは右手前ラフ。そのホールだけ考えれば、ストレート、またはドロー系の球筋の方が攻めやすいが、「右バンカーでも良いと思った」と、横峯のゴルフの基本線となる“フェードの復調”にこだわった結果だった。
メジャー大会での最高位は、昨年の「全米女子オープン」での7位だ。優勝する準備はできているのかと問うと、「それは、どうでしょう?」と笑った。宮里藍、宮里美香は米ツアー初制覇までフル参戦から4年掛かった。「人それぞれだし、私は私という感じ」。自身の進む道に、迷いはないようだ。(ニューヨーク州ハリソン/今岡涼太)