2015年 ANAインスピレーション

先週は「優勝」、今週は…横峯さくらが目標を話さなかった理由

2015/04/02 12:04
滑り込みでつかんだ切符と“手応え”を手に、横峯さくらは今季メジャー初戦を迎える

米国女子ツアーの今季メジャー初戦「ANAインスピレーション」が2日、カリフォルニア州のミッションヒルズCCで開幕する。前週の「キア・クラシック」を8位タイで終え、滑り込みで今大会の出場権を手にした横峯さくらが、開幕前日に行われたプロアマトーナメントに出場し、9ホールをラウンドした。

今季から米国を主戦場とする横峯は、前週まで4戦に出場。最初の3戦は予選落ちを喫し苦戦を強いられたが、初めて決勝ラウンドに進んだ前週は最終日最終組で上位争いを演じた。

変化のキーは“目標の置き方”にあった。当初は「予選通過」という低いラインを設定していたが、前週は目標を「優勝」に大きく転換し、開幕直前からメディアに公言。敢えて自らにプレッシャーを与えただけでなく、「(目標を高く置くと)攻め方も、ボギーでも仕方ないと思えるホールでも、なんとかパーセーブしようと、考え方も変わった」という。いまは、その変更に手応えがある。

今大会(昨年までは「クラフトナビスコ選手権」)には過去、2007年~10年と14年にスポット出場。08年の19位が最高位で、予選落ちなしという戦績を残している。「過去にスポット(賞金ランク)で出場していたから、(メジャーの)感覚はやや薄い」と、横峯にとっては、今季の米ツアースケジュールの中で数少ない勝手を知っているコースの1つだ。

もちろん、今年は切符を手にするまでの道のりが平坦ではなかったこともあり、“出場権”の重みは感じている。出場を「心から喜んだ」一方で、コンディションという点では、初めて4日間を完走した前週の疲れを残してもいる。

12時間後にスタートが迫ったこの日のプロアマ戦後、今大会の目標について聞いた。横峯は「自分のプレーに徹すること」という心構えを強調をし、「細かな目標はこれから決めます」と具体的な回答をしなかった。

米ツアー4戦を経て「自身のスイングや状態に応じた目標を置くことが大切」と再認識したのが、「少しずつだが慣れてきた」と表現する今の手応えの正体だ。5戦目を迎えた新天地。ギリギリまで自身の状態を見極めて最大目標をセットし、今季メジャー初戦に挑む。(カリフォルニア州ランチョミラージュ/糸井順子)

2015年 ANAインスピレーション