2014年 ウェグマンズLPGA選手権

小技でパワーヒッターを撃破! 朴仁妃が9年ぶりの大会連覇

2014/08/18 13:58
プレーオフ1ホール目で決着! 最難関の18番でパーセーブを続けた朴仁妃がメジャー連覇を遂げた

距離が長くてフェアウェイが広く、ラフは全体的に短め。パワーヒッター有利とされた今年のメジャー第4戦「ウェグマンズLPGA選手権」を制したのは、ショートゲームの名手だった。1打差で追ってスタートした朴仁妃(韓国)が、飛ばし屋として鳴らすブリタニー・リンシコムをプレーオフ1ホール目で破り、メジャー通算5勝目を大会連覇で飾った。

今大会の連覇は、2003年から05年まで3連覇したアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)以来9年ぶり。世界ランキングでも、リディア・コー(ニュージーランド)を抜いて3位から2位に浮上し、同1位のステーシー・ルイスに迫った。

「17番と18番では、本当に良いパットが打てた」。首位のリンシコムと2打差で迎えた17番。3メートルのバーディチャンスを決めて1打差に詰め寄り、422ヤードの最難関ホール・最終18番へ入った。だが、2打目はグリーン右サイドのラフにスポッと埋まり、「深くて、とてもタフなライだった」というアプローチはピンまで4メートルショート。外せば敗色濃厚となるピンチはしかし、朴の強さと持ち味を際立たせた。これをねじ込んでボギーを回避し、結果的にプレーオフ、そして勝利を呼び込む1打となる。

対してリンシコムは、正規の18番で3メートル、プレーオフ1ホール目で1.5メートルを外しての“連続”ボギー。いずれもグリーン左奥のカラーから寄せきれなかったことも敗因に挙げられるだろう。

「18番はもっともタフなホールだけど、ブリタニーはロングヒッターだし、より短い番手でセカンドを打てる。パーをとるチャンスは、私の方が少ないと思っていたからラッキーだったわ」。

朴のプレーオフ1ホール目は、グリーン奥のラフから確実に1メートルに寄せたもの。グリーン周りでは、リンシコムとの差が大きな開きとなって現れた。決して、幸運だけで呼び込んだ逆転劇ではない。誰よりも、敗れたリンシコムがそう感じているかもしれない。(ニューヨーク州ピッツフォード/塚田達也)

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