米大学史上最強の女子ゴルファー、L.オチョアがプロ宣言
語り草だが、アメリカのカレッジゴルフの記録を塗り替えた女子選手がプロ転向を宣言した。アリゾナ大学2年生、ロレーナ・オチョア(Lorena Ochoa)の記者会見は、5月25日、NCAA1部リーグの試合がすべて終わった翌朝おこなわれた。年間10試合のうち8試合に優勝、残る2試合は2位というNCAA史上最高の戦績を残したオチョアは、ワシントン・ナショナルGCで開催された今年のNCAA選手権では去年と同じ2位タイという成績に終わったが、アリゾナ大学在学中の2年間で20試合で12勝、2位より悪い順位だったのは2回しかない。
「この2年間は私の人生で最高でした」と語るオチョアはまだ20歳。「カレッジゴルフは期待していた以上に得るものが多かったのですが、いまこそ次のステップを踏み、さらなる高みを目指すときだと思うのです」
会見場にはアリゾナ大学ワイルドキャッツの残る4人のメンバー、そしてコーチのグレッグ・アレンも来ていた。アレンはアリゾナ大学でのコーチ歴2年。オチョアのいないチームでどうやって大学ナンバーワンの座を維持すればいいのかわからないと言う。
「彼女がカレッジゴルフ界に与えたインパクトはとてつもなく大きいもので、それについては感謝しているわけですが・・・、でも我々は100パーセント、彼女を支持しています。彼女にとって最良の選択であると思っています」
オチョア自身が決心したのはは3月、米国女子ツアーで3週続けてスポンサー推薦を受けて出場して好成績を残したあとのことである。ピン・バナーヘルスで37位タイ、ウエルチ・サークルKではカリー・ウェブに並ぶ5位、そして米国女子ツアーの今季最初のメジャー戦ナビスコ・チャンピオンシップでは8位に入った。
プロとしてのデビュー戦は5月31日からのフューチャーズツアー、オーロラ・ヘルスケア・チャリティーゴルフクラシック(ウィスコンシン州サセックス)となる予定。今後のフューチャーズツアーのほぼ全試合となる7、8試合に出る。米国女子ツアーでのスポンサー推薦を受けられる権利もあと1試合ある。日本のLPGAの試合にも出場する予定だ。
エージェントはハンブリック・スポーツマネジメントのロッキー・ハンブリック(Rocky Hambric)。クラブやボールの使用契約はまだだ。ハンブリックによれば、3か月くらいはこれまで使っていたピンのクラブ、ボールはタイトリストPro V1で行くことになろうとのこと。ハンブリックとIMGはここ数週間、オチョア争奪戦を展開していた。オチョアがハンブリックを選んだのは、ハンブリックにとって唯一の女性ゴルファーとなるからである。他にも女子ゴルファーのエージェントをやるつもりはないというハンブリックは「うちに女性ゴルフ部門を作るわけではなく、私はロレーナ部門を作ったのです」と言っている。オチョアは「彼が私にとってはベストだと思う。彼を信頼しているし、まかせて安心できる。私がやりたいことを彼はきっちりわかってくれていると思う」と語っている。
今年は当面、兄のアレハンドロがキャディーを務め、スイングについては引き続き同じメキシコ出身のPGAツアープレイヤーであるラファエル・アラカン(RafaelAlarcon)の指導を受ける。ハンブリックはオチョアを賞賛して次のように言った。
「史上最高のカレッジゴルファーであろうというだけでなく、人柄も素晴らしく品格にあふれている。彼女のような人間性もつ人物には滅多にお目にかかれません」
BY JAY A. COFFIN(GW)