藍、首位と1打差4位タイの好発進!
2011/07/22 05:35
「エビアンマスターズ」初日、午前中は肌寒く、時折小雨がぱらつくあいにくの天気となったが、8時17分スタートの宮里藍は、その集中力を切らすことなく戦い続けた。
序盤、打ち下ろしの2番(パー3)で1mにつけてバーディを先行させた宮里だったが、5番でティショットを左ラフに落とすと、そこからグリーンを捉えられずに3オン3パットのダブルボギーとしてしまう。それでも、9番(パー5)で3打目を50cmにつけてバーディを奪い返すと、後半は怒濤のバーディラッシュで一気にリーダーズボードを駆け上がった。
全米女子オープン直前、宮里は震災に対する気持ちをようやく収めることができたと打ち明ける。それまでは、「一つでも、一試合でも多く日本に良いニュースを届けたいという気持ちが邪魔をした部分もあった」と、良くも悪くもコントロールできない結果に対しての欲が、いつも以上に感情の波やストレスを生んでいたと振り返る。
そんな心の揺れに、キャディのミックやメンタルコーチのピアやリンと話し合うことによって整理をつけた。「結局、私一人では日本を救えないし、なでしこの優勝を見て、タイミングは選べないんだなと思いました。復興には時間が掛かるし、自分もゆっくりと成績を残して行けたら思えるようになりました」。
既に宮里や上田桃子、宮里美香らが推進する復興支援チャリティには1450万円を超える義援金が集まっているが、これからも地道な活動を続けることに変わりはない。
懸案だったパッティングも「考えるのをやめました。それが一番の薬かな」と、無心で臨んで調子を取り戻しつつある。残り3日間。宮里はエビアンのミネラルウォーターのようにクリアな気持ちで、コース上の戦いへと挑む。(フランス・エビアン/今岡涼太)