2026年 NW アーカンソー選手権

どんなに悔しくてもインタビュー 西村優菜の窮地での初勝利と人柄/片平光紀解説

2026/09/29 13:00
西村優菜の米女子ツアー初優勝を片平光紀プロはラウンドリポーターとして見届けた

◇米国女子◇ウォルマート NW アーカンソー選手権 presented by P&G 最終日(27日)◇ピナクルCC (アーカンソー州)◇6438yd(パー71)

西村優菜が悲願の米国初優勝を飾った。かつて米女子ツアーを戦い、今大会もU-NEXTでラウンドリポーターを務めた片平光紀プロは、2023年の参戦当初から西村を知る間柄。最終日を振り返り、26歳の強さを紹介する。

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西村選手には今シーズン、残された試合が今大会を含めて現実的に3試合ほどしかありませんでした。結果を出さなければいけない状況で最高の成績を残したことに感動すら覚えます。昨季から2年続けて厳しい時期が続いてきました。今季は1打足りずに予選落ちする試合も多く、状態の割に良い結果がついてこないという試合ばかり。その中で迎えた試合でしたから、最終日の重圧はスタートから相当大きなものだったでしょう。

フロントナインで岩井明愛選手がスコアを伸ばし、西村選手には焦りもあったはずです。11番でチップインバーディ、14番(パー5)でイーグルと、これまでの悔しさや、自分で流れを引き寄せる本来の強さがすべて出たように思いました。

西村選手と初めて会ったのは2022年末の最終予選会でした。限定的な出場権を確保しながら、目標にしていたトップ20に入れず悔し涙を流しました。「強くなりたい」というインタビューの言葉が印象的で、目を腫らしながら答えてくれた様子に感謝したのを覚えています。今でも、どんなに悔しい日でもインタビューを受けてくれる日々の行動に、彼女の人柄の良さが出ているように感じます。

技術面での長所はウッドの精度。最終日の8番は木を避けてドローを打たなくてはいけない状況を5Wで難なく攻略してバーディにつなげました。ピンが右サイドに切られたときはフェードで攻めるなど、球筋の打ち分けをロングウッドからアイアンでもできるのが米国でも戦える強み。

また、アプローチの精度も高く、この日の2番(パー5)ではグリーン奥のウェットな芝から、時間をかけずに寄せワンでパーセーブに成功しました。あそこでボギーだったら気持ちも変わったはず。そして、なんといっても最後まで絶対に諦めないというメンタルの強さも生かしてプレーしていました。

18番グリーンに近づくにつれて、私は泣いてはいけないのに、自然と涙が出てきてしまいました。周りの選手たちが次々と優勝したり、良い成績を出すのを見たりすれば、どんな選手も焦ります。どんなに先を越されても、西村選手は優勝者のシャンパンシャワーに参加していました。「自分も浴びる側になりたい」とずっと思っていたはずです。

来シーズンの見通しが悪い状態で、自力で出場権をつかんだことが非常に大きい。これまでになかった余裕が生まれ、リラックスしていろんなことにトライできる時期も訪れます。大きな意味を持つ優勝になったはずです。

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