ただ一人のノーボギーでよぎった“再現” 古江彩佳が今季10度目のトップ10入り
◇米国女子◇ISPS Handa スコットランド女子オープン 最終日(18日)◇ダンドナルドリンクス (スコットランド)◇6563yd(パー72)
サンデーバックナイン13番からの2連続バーディで古江彩佳は首位と3打差に迫った。見る者がよぎったのは2022年、当地での米ツアー初優勝。最終日「62」で4打差をまくった。本人は、ただただ必死だった。コース内にあるリーダーボードの数は少なく、トップの状況を即座に把握するのは難しかった。「行けるだけ行きたいなって思っていました」とアクセルを踏み続けた。
この日プレーした69選手で唯一のボギーなしで「68」。スタート時点で7打差だったローレン・コフリンに6ストローク届かなかったが、通算9アンダー3位に食い込んだ。今季ツアー最多を記録するトップ10入りは10度目に到達。「アムンディ エビアン選手権」でのメジャー初制覇から5週ぶりの出場でも、パフォーマンスがさびついている気配すらなかった。
古江自身、優勝した後の試合こそ重要と位置付けて臨んだ一戦。「タフなコンディションの中ではいいプレーができて、自信にもつながった」とした上で、勝ち切るために何が必要だったか貪欲に考えている。
1番でバーディ発進した後はティショットが乱れる中でナイスパーセーブを連発したが、大差をひっくり返すためには前半のうちにチャージを開始しておきたかったという。ドローヒッターには悩ましい左サイドのポットバンカーにつかまった3番(パー5)は4日間でバーディを奪えず、ボギーが2つ。「あそこをうまく行ければ、もうちょっと流れに乗っていけるのかな」。6m近いパーパットをねじ込んだ5番(パー5)も、連日アゲンストの風で初日のバーディ1個にとどまった。ピンチをしのいだ直後の6番(パー3)はチャンスを決めきれなかった。
そんな“反省点”が出るのも、メジャータイトルを勝ち取ってなお、上のレベルを目指すからこそ。強風の中で安定したスコアメークを見せ、次週のメジャー最終戦「AIG女子オープン(全英女子)」につながる4日間だったことは間違いない。
「このイメージのまま乗り込めたら」と話すセントアンドリュース オールドコースは、2021年のメジャー2試合にスポット参戦した合間にラウンドしたことがある。「ティショットをどこに打てばいいのか分からないイメージ。スコアがどうなるんだろう…」と苦笑しつつ、「練習ラウンドで(改めて)しっかりコースをインプットしていきたい」。優勝候補の一角としてゴルフの聖地に舞い戻る。(スコットランド・アーバイン/亀山泰宏)