母の味“そばめし”で充電完了 古江彩佳がメジャー優勝ひっさげ「いい思い出」の地へ
◇米国女子◇ISPS Handa スコットランド女子オープン 事前(13日)◇ダンドナルドリンクス (スコットランド)◇6563yd(パー72)
古江彩佳が今週コース近くに借りているレンタルハウスは、2年前にこのダンドナルドリンクスで初優勝を飾った時と同じだという。「(US)LPGAツアーで優勝できたひとつ目の試合なので、いい思い出の場所に戻ってこられてすごくうれしい」と笑みがこぼれる。7月「アムンディ エビアン選手権」で2勝目をメジャーで飾っても、1勝目の特別感が色あせることはない。
エビアンで日本人女子4人目のビッグタイトルを勝ち取った後は日本に戻り、シーズン中では珍しい長期のオフを過ごした。日本でダイレクトに感じる周囲の反応が、つかんだ栄冠の大きさを実感させてくれた部分もある。支えてくれたスポンサーにいち早く直接の報告ができたことも含め、慌ただしいながらも充実の時間を送った。
米ツアー転戦に同行している母・ひとみさんの手料理に癒されるのはオフも変わらない。出身の神戸市長田区のソウルフードともいわれる、牛すじ肉とこんにゃくを出汁で甘辛く煮た「ぼっかけ」を入れたそばめしを食べられるのは日本滞在時の楽しみだ。
前週のうちにスコットランドに入り、キャディのマイク・スコット氏の地元グラスゴーでカーレースを観戦したり、美術館へ足を運んだりと適度にリラックスしてから徐々に試合モードへスイッチを切り替えてきた。
この日の練習ラウンドはスコットランドらしい強烈な雨と風に見舞われる時間帯もあったが、元気に18ホールを回り切った。メジャー覇者となっても「自分自身は特に何も変わっていないですね」と笑うように、「リンクスの難しさに自分がどれだけ対応できるか楽しみ」とルーキー時代と同じ目の輝きで意気込む。
「やっぱり、たくさん優勝していくっていうのが1つの目標。その中でほかのメジャー、(毎年)違うコースで違う感じにはなるメジャーだと思うんですけど、ほかのメジャーを獲る目標にしていけたら」。スコットランド・セントアンドリュース オールドコース開催の次週「AIG女子オープン」(全英女子)もターゲットとして見据えながら、まずは目の前の思い出深いコース攻略に全力を注ぐ。(スコットランド・アーバイン/亀山泰宏)