2024年 パリ五輪

パリ五輪で引退 コロンビアの星が有終のメダルへ2打差「4位なんて何の意味もない」

2024/08/10 06:58
マリアホ・ウリベはパリ五輪で現役を引退する意向

◇パリ五輪 女子 3日目(9日)◇ル・ゴルフ・ナショナル(フランス)◇6374yd(パー72)

泣いても笑っても、10日(土)最終日の18ホールがマリアホ・ウリベ(コロンビア)のラストダンスになる。ラテンアメリカ出身の選手として唯一の「全米女子アマ」覇者(2007年)でもある34歳は、このパリ五輪をもって引退することを決めている。

東京五輪後の引退を取りやめてたどり着いた舞台

もともと、3年前の東京五輪で引退するつもりだった。新型コロナウイルスの感染拡大、妊娠と出産を経て翻意。「コロンビアでもオリンピックはとても大きなイベント。私の友人だってツアーに見に来ることはないのに、みんなここにいるくらい」。3度目の五輪を目指す上で、どうやって世界ランキングのポイントを稼ぐかが問題だった。

妊娠、出産を経てたくましく戦う

米女子ツアーに復帰しようにもステータスがなく、試合を求めて欧州女子(LET)、その下部ツアーにも出場した。「とにかくプレー、プレー、プレー…。できる限りポイントを稼ごうと思った」。世界中を飛び回る懸命なトライが実を結んだのは今年3月のこと。招待選手で出場したオーストラリア開催のLET「ニューサウスウェールズ女子オープン」で優勝し、世界ランクは474位から217位にジャンプアップを果たした。

メダル圏内と2打差

3度目の五輪切符をつかんだだけでも「素晴らしい1年だった。もう1年プレーすることを決めて、本当に良かった」と胸を張って言える。しかし、出場だけで満足するわけにはいかない状況になってきた。3日目を終え、メダル圏内の3位で並ぶ山下美夢有ローズ・チャン(米国)とは2打差の通算5アンダー6位。表彰台がはっきり見える位置にいる。

「3位までに入るか、何もないかという感じ。今週は4位なんて何の意味もない。だからドライバーをたくさん打って、アグレッシブにプレーしてきた。誰も私がメダルを獲ると思っていないでしょう?いいことだよ。私はビハインドの状況から逆転するのが好きなの」。現役最後の1日にメダルを懸けて戦える。最高の巡り合わせに感謝しながら、アグレッシブに攻め抜く。(フランス・ギュイヤンクール/亀山泰宏)

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