無双のち3戦連続予選落ちも ネリー・コルダが初の五輪連覇へ挑戦
◇パリ五輪 女子 事前(5日)◇ル・ゴルフ・ナショナル(フランス)◇6374yd(パー72)
史上3人目の米女子ツアー5試合連続優勝、シーズン開幕から出場8戦で6勝と勝ちまくった序盤を思えば、その後のネリー・コルダ(米国)は明らかに状態を落としている。「全米女子オープン」では初日の12番(パー3)でクリーク(小川)に3回も落として「10」をたたき、予選落ち。2週後の「全米女子プロ」も2日目に「81」と崩れるなど、キャリア初の3試合連続予選落ちを味わった。
「ゴルフってゲームは面白い。世界の頂点にいると感じていたのに、ほんの2、3秒の間に今度は海の底にいるような気分になることもある。いいプレーができることに感謝しなきゃ」。直近の米ツアーは4週前の「アムンディ エビアン選手権」(26位)。1週は休養に充て、2週は練習に専念。スイングコーチのジェイミー・マリガン氏とともに東京五輪に続く金メダルが懸かるパリへ乗り込んできた。
過去4度(女子は3度)しか行われてない五輪ゴルフ競技で連覇した選手はいない。男子のザンダー・シャウフェレは最終日を首位タイで迎えたが、届かなかった。「3年ぶりだし、国も会場も違う。ディフェンディングという感覚は、あまりないの」と言った上で「自分がこの位置に戻ってこられたことにただ満足している。私は国を代表してここにいる。2度のオリンピックに出場し、自分の夢を生きている」。まずは米国を背負う重みをかみ締める。
テニス選手だった母のレジナ・コルドバさんは1988年ソウル五輪にチェコ代表として出場。母に続くオリンピックの舞台で表彰台の真ん中に立った記憶は色あせない。「涙があふれて止まらなかった。私の『WHOOP』(ウェアラブルヘルス機器)には、表彰台に立った時に最も心拍数が上がったと出ていたわ」。優勝を決めた瞬間を上回る胸の高鳴りを、もう一度味わいたい。(フランス・ギュイヤンクール/亀山泰宏)