練習ラウンドは世界1位と 吉田優利の「通って良かった」予選会
◇女子メジャー第2戦◇全米女子オープン presented byアライ 事前(29日)◇ランカスターCC(ペンシルベニア州)◇6583yd(パー70)
開幕前からコースに足を運ぶ多くのギャラリー、場内に設置された巨大なテントや看板…。「ボランティアの方もたくさんいらっしゃる。コース管理にしても、この大会を作ることがすごく大変なんだろうなと伝わってくる。この雰囲気を見て、本当に“通って良かったな”と思います」。吉田優利は足元の舞台に広がる空気を、めいっぱい吸い込んでいた。
アマチュア時代の2019年を含む2年連続3回目の出場は、懸命な行動の末に掴んだ。4月末にカリフォルニア州で行われた予選会をトップ通過。36ホールで2位に4打差をつける「130」ストロークは、現行の予選会方式になった2002年以降の最少スコアとして大会史に記録された。
思いがけない幸運から、「この試合に出ることにはすごく大きな意味がある」という一週間が始まった。開幕を3日後に控えた27日(月)、世界ランキング1位のネリー・コルダと練習ラウンドをともにした。吉田が先に記帳していたラウンド予約表の同じ組に、コルダが飛び込んできたという。
5連勝を含む今季6勝をすでにマークしている最強選手との刺激的な時間。「画像でしか見たことなかった選手。目の前で見られてすごく良かったし、本当にラッキー。すごくうれしかった」と喜んだのも無理はない。「クラブの使い方ももちろんうまい。背も高いのでクラブと腕が一本になっているような感じ。長いシャフトを使っているようなイメージで振っている」。「ショートゲームもロングゲームも、すべてが理にかなったもの、理論的に一貫したものがあるんだろうなと」。言語化しきれないほどのスゴさが胸に刻まれた。
4月のメジャー「シェブロン選手権」には出られなかった。米ツアーのメンバーとして、今週初めてメジャーをプレーする。今後の大会の出場権に繋げるためにも好成績が欲しい。
ラインの上り、下りが読みにくいグリーンを警戒し、「特にインコースがすごく長い印象。日本ではあまり(2打目で)5番ウッドなんかを使わなかったりするけれど、結構使わなきゃいけない」と厳しい戦いを覚悟。「4日間やりたい。新しいゴルフを吸収しながら、しっかり成績も出せたら本当にベスト」と、初日午後0時52分(日本時間31日午前1時52分)のティオフを見据えた。(ペンシルベニア州ランカスター/桂川洋一)