3億円ゲットのカギは“地味練”にあり? 西村優菜「一発大逆転を目標に」
◇米国女子◇CMEグループ ツアー選手権 事前(15日)◇ティブロンGC ゴールドコース(フロリダ州)◇6556yd(パー72)
米国女子ツアーの公式サイトでは、年間ポイントレース(レース・トゥ・ザCMEグローブ)のシステムを以下のように説明している。
「レース・トゥ・ザCMEグローブは、LPGAメンバーが各大会でポイントを積み上げ、最終戦出場につながるシーズンを通じたポイント争いです。『CMEグループ ツアー選手権』で優勝した選手が『レース・トゥ・ザCMEグローブ チャンピオン(年間女王)』となります」
80位までのシード争いや最終戦の切符は積算のポイントで争われるが、ラストマッチに限っては出場選手60人全員に優勝賞金200万ドル(約3億330万円)はもちろん、年間女王のチャンスがある(年間最優秀選手のプレーヤー・オブ・ザ・イヤーはトップ10以内の成績にポイントを付与して決める)。
今季下部エプソンツアーからの昇格8人を含めた31人のルーキーからエリートフィールドに進出した6人のうちの一人である西村優菜も、当然その資格を持つ。「『そんなラッキーなことあるの?いいんですか?』みたいな…」と苦笑しつつ、「夢はありますよね。その一発大逆転を目標に、しっかり4日間頑張りたい」。年間女王争いに限ればアドバンテージが消える上位選手の胸中を思うと少し複雑にもなるが、目指さない理由はない。
9月に一時帰国して戦った国内ツアー「住友生命レディス東海クラシック」でつかんだショットの好感触を持続。「9Wとか7Wとか、自分の生命線である170~180ydくらいのところで自信を持って振れてくると、戦っていけるんじゃないかと思う。飛ばない分、そこ(長いクラブの精度)で彼女たち(海外選手の)のショートアイアンには絶対に負けないぞっていう気持ちで練習もしています」とスタイルも明確になりつつある。
ショットに手応えがある分、「想像もつかない」ビッグマネーゲットのカギはグリーン上にありそう。開幕前の練習グリーンでは1mほど先にティペグを4本並べて挿し、帯同キャディが指し示す1本に向かって即座に真っすぐ構えられるか時間をかけて確かめた。
「“地味練”ですね、フフフ」と笑って狙いを明かす。「試合をずーっとやっていると(セットアップが)ボンヤリしてしまったり、目線のズレとかもある。グリーンもちょっとクセがありますし、決めたところにちゃんと打てて、それが入ってくれれば最高」。開幕前日は早朝からインコースをチェックした。納得の準備を済ませ、シーズンラスト72ホールの開幕を待つ。(フロリダ州ネープルズ/亀山泰宏)