「奈紗さんについていけばいい」 首位浮上の桑木志帆は米ツアーへ意欲もチラリ
◇日米女子ツアー共催◇TOTOジャパンクラシック 2日目(3日)◇太平洋クラブ美野里コース(茨城県)◇6598yd(パー72)◇晴れ(観衆4209人)
スタート前から桑木志帆は「きょうは勉強しよう」と決めていた。日本のエース・畑岡奈紗と初めての同組。胸を借りる思いでティオフした。
ラフからでもチャンスメークするショット力、見た目には厄介そうなライもしっかりと寄せていくアプローチの精度…。「本当にうまいなって勉強になりました」。レベルの高さに面食らいそうになりながら、今季トップ3フィニッシュ4回で初優勝に迫る20歳は先輩プレーヤーを見上げるだけで満足しない。「奈紗さんについていけば、いいところで終われるんじゃないか、と。必死についていきました」
前半に3連続バーディを見せつけられた時は差も開きかけたが、背中を追って後半に上がり2連続を含む4バーディを追加。前日のラウンド中に得た「アドレスの時にしっかり重心を下げること。浮き上がらないように」という気付きからショットが開眼。パーオン率は2日間で80.56%(29/36)を記録し、ボギーを1つもたたいていない。終わってみれば畑岡を1打上回る「65」をマークし、首位で並んだ。
大会初出場がキャリアプランに変化をもたらす可能性もある。「今まではなかったんですけど、この試合に出て、行ってみたいなという気持ちがあります」と米ツアー挑戦への思いが芽生えたことを明かした。「海外の選手はやっぱり飛距離もありますし、スーパープレーというか、迫力もある。その中で毎週やってみたいという気持ちも今は強くなってきました」と目を輝かせる。
念願の初タイトルが米ツアー出場権を付与される一戦なら言うことなし。「まだ2日目なので。ビッグスコアが出た後で、あしたも油断はできない。きょうみたいに無欲でプレーできたら」。夢を広げつつ、しっかりと足元を見つめ直してスコアメークに集中する。(茨城県小美玉市/亀山泰宏)