西村優菜は今週も上々の滑り出し コースの様変わりに「頭が疲れました…」
◇米国女子◇アセンダントLPGA benefiting ボランティア・オブ・アメリカ 初日(5日)◇オールドアメリカンGC (テキサス州)◇6475yd(パー71)
さっきまでのふくれっ面が、満面の笑みに変わった。最終18番、フェアウェイからつくったチャンスで残したパットは4m。直前17番(パー5)で西村優菜は2mのバーディパットを外していた。キャディと下りのスライス&フックで意見が一致。バミューダ芝の強い芽に負けない転がりでラインを伝わせカップに沈めてみせた。
風の強い午後のラウンドを5バーディ、3ボギーの「69」でまとめた。初日2アンダー10位は、今季最高の3位に入った前週「アーカンソー選手権」(初日11位)を上回る好発進。試合前に「手前の花道を使わなきゃいけない」と警戒していた、硬く、小さいグリーンは前夜の雨でわずかにソフトになり、予想していたよりも攻めていけた。
後半10番までにバーディとボギーが2つずつ。「狙える幅がすごく狭いので、ちょっとでもイメージが悪ければ逃げるようにしていた」と、中盤はどちらにも転びそうな緊張感が漂った。迎えた11番(パー3)、ティショットはグリーン左奥へ。「すごく難しいアプローチ。寄せられたらいいな…」という打ち上げの2打目は、カップに滑り込みチップインバーディになった。
起死回生のチッピングから続く12番はショットでピンそば1mにつけて2連続。「(コースが)難しいと感じすぎるとダメなのかなと思う部分もあるけれど、手堅くいけたところもあった。いい初日だった」と好スタートに胸をなでおろした。
直近の「アーカンソー選手権」で自己最高の3位に入り、年間ポイントレースを61位に浮上させて来季のフルシード獲得(上位80位)に大きく前進した。「気持ち的に少しラクになったのはもちろんある」とうなずきつつ、ティイングエリアに立てば、内心は変わらず必死なまま。「(前週と)コースが違いすぎて。きょうもどんなラウンドになるかと不安もあった。ただ、頭を使いながらできたと思います。使いすぎて、頭が疲れました」と苦笑いした。
午前スタートの2日目も上位をキープしたい。穏やかなコンディションを期待しつつ、「夜に雨が降らなければどんどん硬くなっていく。マネジメントに集中しながら、攻めと守りをハッキリさせて良いプレーをできるように」と警戒は解かなかった。(テキサス州ザ・コロニー/桂川洋一)