カットライン上から22位 渋野日向子はチャンス生かす4連続バーディ
◇米国女子◇クローガー・クイーンシティ選手権 3日目(9日)◇ケンウッドCC(オハイオ州)◇6515yd(パー72)
カットライン上の1アンダーで予選ラウンドを終え、午後組のプレーを待つ身だった渋野日向子が週末も回れることを知ったのは、これから夕食をとろうという時間帯だった。
「スコアはちょこちょこと見ていました。無理かなと思っていたけどギリギリ。命が救われたし、予選を通れたのは大きい。どんな気候であれ、伸ばす、耐えるというゴルフをしないといけない。自分が少しでも頑張れば上位に行ける位置で最終日を迎えられる」。そう気合を入れ直してムービングデーを迎えた。
予選2日間に比べて風が吹いたこの日は、午前10時25分に10番からティオフした。グリーンは「コンクリート並み。びっくり」とこれまで以上に硬さを増し、ウェッジショットでも聞こえる乾いた着弾音に警戒心をつのらせた。
前半はチャンスを作っては耐える内容でパーが続き、16番でバーディが先行。折り返し後の1番をボギーとしたものの、下り6mのパーパットを沈めた3番(パー3)を境に追い上げが始まった。
4番(パー5)で3打目のアプローチを寄せてバーディを奪うと、5番は10mを沈めて2連続。グリーン右側にバンカーがある6番は右サイドに切られたピンを果敢に攻め、フェアウェイ左サイドから114ydの2打目をPWでピン右横1mにつけてバーディにした。
続く7番は313ydに設定された短いパー4。この日はフォローの風が吹き、ワンオンのチャンスがあるホールで1Wを振り切った。「今日イチと言えるぐらい良くて、冷静に打てた」という1打目をグリーン手前の花道に運ぶと、アプローチでピンそばにつけて4連続バーディ。「そのあとの9番もだけど、少しずつではあるけどいいショットが増えてきているし、最後まで冷静にできていた」と振り返った。
バーディパットがボール1個分カップを逸れた最終ホールに悔しさを残したが、後半9ホールは11パット。計25パットのグリーン上の内容にもうなずき、「いい流れのゴルフができたのはすごい良かった」と声を弾ませた。
5バーディ、1ボギーの「68」で回り、最終日は5アンダー22位から臨む。「少しずつグリーンは硬くなってきているけど、自分が思うクラブとキャディのJB(ジョン・ベネット)が思うクラブは大体合っていて、どう攻略するか話し合えている」。相棒と歩幅を合わせながら、ひとつでも上位を目指す。(オハイオ州シンシナティ/石井操)