居残り練習で気づいたズレ 畑岡奈紗「どうやっても入らないアドレス」から一変
◇米国女子◇クローガー・クイーンシティ選手権 2日目(8日)◇ケンウッドCC(オハイオ州)◇6515yd(パー72)
1オーバー88位から出た畑岡奈紗が、大会コースレコードに並ぶ9バーディ「63」でプレー。「調子は悪くないのになんでスコアにつながらないのかな」というストレスを払しょくする圧巻の内容で、通算8アンダーの7位に順位を上げて決勝ラウンドに進んだ。
初日は7mほどの距離から3パットを喫するなど、グリーン上で苦しみ34パット。感触の良いストロークをしても、カップのわずか横を逸れ続けるボールに、ラウンド中も怒りを隠せない様子だった。ホールアウト後は練習グリーンで原因を究明。「(グリーンの傾斜を読む際に行う)エイムポイントがズレていた」ことに気づいたという。
グリーンの勾配を体で感じ取ってラインを読むパッティングメソッドに生じていた狂い。「フックラインは合っていたけど、スライスラインの時に自分が読んでいるところより左に向いてしまっていた」。キャディのグレッグ・ジョンストン氏に見てもらうことで「ズレが5センチ以上もあって、どうやっても入らないようなアドレスをしていた」ことが判明し、ここ数週間の違和感の原因が明らかになった。
「前は自然にできていたところだけど、“入れる”ことを意識しすぎてカップの方にアドレスを取るようにしていた。目線も合っていなかったと思う。カット軌道っぽいボールの転がりで、つかまった時は大きく左に外れるし、こすった時は右手前に外れる。大事な出だしのところができていなかった」
修正して臨んだこの日、パットが見違えた。「出だし30センチのラインをとくに気を付けるように」意識してティオフ。出だしの10番をタップインバーディで発進すると、11番(パー3)ではピン奥7mからスライスラインを沈めて2連続。14番(パー3)でも4mのチャンスを沈めるなど23パットに収め、「5mぐらいが決まればきょうは大丈夫と思っていた」という想定通りのビッグスコアとなった。
首位に6打差で迎える週末を「あとはティショットをフェアウェイにどれだけ運べるか」と見据える。徐々に硬くなりだしたグリーンにも警戒しながら「せっかく順位を上げられたのであと2日、自分らしいゴルフをして上位で終われれば」と意気込んだ。(オハイオ州シンシナティ/石井操)