首位通過→ショッキングな週末を経て全英女子へ 渋野日向子「1ミリずつ行ければ」
◇米国女子◇フリードグループ スコットランド女子オープン 最終日(6日)◇ダンドナルドリンクス (スコットランド)◇6494yd(パー72)
36ホールのストローク数は予選ラウンド「132」に対し、決勝ラウンドで「149」。渋野日向子は昨年「AIG女子オープン(全英女子)」以来となる首位で迎えた週末を悔しさいっぱいで終えた。
「ただただ、もったいない。きのうがもったいない」と繰り返した前日は「77」をたたいた。自己ワーストの日米ツアー5試合連続予選落ちを喫してから、1カ月も経っていない中での優勝争い。「1個のミスにすごい焦りだして…。突然来たチャンスを、自分でボロボロと(崩して)してしまったことに、ショックが大きすぎた」。ゴルフの内容だけでなく、テーマに掲げる冷静さを早々に失ってしまった自分がもどかしい。
一夜明けたこの日も、いきなり3連続ボギーと“最悪”のスタートだった。何とか踏みとどまれたのは、5番(パー5)のイーグル。残り250yd近いセカンドをアゲンストの風にも負けず3Wで届かせ、ピンそば4mに2オンした。「あれと15番(のバーディ)だけ、メッチャ打てた。(ほかのホールでも)あれくらい、打ちゃあいいのに」と自虐節が漏れたグリーン上。パーオン率72.22%(13/18)とまずまずの数字にまとめながら、チャンスで打ちきれずにパープレー「72」にとどまった。
最終18番(パー5)、気持ちよく振り抜いた1Wショットは真っすぐ飛んでフェアウェイを捉えた。昨年までの右に打ち出したボールが左に曲がって戻ってくるドローボールとは異なる弾道を描く。「いまは結構、(ターゲットに対して)直線的に向いている。それがしっくり来ている。(18番は)すごく良かった」。苦しい後半2日間の中でも手応えを感じる瞬間は確かにあった。
通算7アンダー16位でのフィニッシュは、3月「ドライブオン選手権」の7位に次ぐ今季2番目の成績だ。「ちょっと上り調子になってきている感覚はあるから、それに対して欲深くなりすぎずに、1ミリずつ行ければいいかな。1ミリ、マジで1ミリでいいんで」。地道な前進を誓って臨む次週は歴代覇者でもある全英女子。7日(月)からの事前チェックで初めて足を踏み入れるイングランド・ウォルトンヒースでの戦いに向け「行ってからのお楽しみ。頑張ります」と静かに気合を入れた。(スコットランド・アーバイン/亀山泰宏)