不可解な罰金ピンチも回避 勝みなみ“イケイケドンドン”でベストスコア
◇米国女子◇マイヤーLPGAクラシック for Simply Give 3日目(17日)◇ブライズフィールドCC(ミシガン州)◇6556yd(パー72)
1イーグル7バーディ、2ボギーでこの日のベストスコア「65」。気持ちよくスコア提出を終えた勝みなみはツアーのルールオフィシャルに声をかけられた。最終18番(パー5)のティイングエリアでプレータイムの計測が入ることを告げられており、結果的に「7秒」オーバーしたという。
ただ、指摘された3打目のアプローチは同伴競技者よりもピンまで近い位置にあり、なかなか打たない相手の状況を見て先に打ったもの。超過したタイムには先に打つはずの同伴競技者が準備を始めてからの時間も含まれている可能性があると説明して事なきを得た。
「本来なら私の番じゃなかったですし、全然、腑には落ちていないです」とこぼしつつ、罰金を科されることはなかったら笑い飛ばせる。何より、プレーそのものは「完ぺきなゴルフ」と胸を張る内容。ボギー直後の5番、最近スコアを落とすことが多いと感じていたパー3で4mのバーディパットを決めてスイッチが入った。
8番(パー5)では残り171ydから8Iで2オンに成功。「タッチを合わせていった」8mはフックしてスライスするラインに乗ってカップへ飛び込み、今季日米ツアーを通じて初のイーグルを奪った。
「(気分は)最高。そこからはもう、イケイケドンドンでした」と笑ったように、後半だけで10番(パー5)からの3連続を含む5バーディを追加。試合を重ねる中でショットの感覚が上向き、惜しくも外れるシーンが多かったパッティングも「打つパット打つパット、リズムよく振れていた。やっぱり、入っていけばいくほどラインも見えてきて、自信を持って打てる。決め打ちができていた」とうなずく。
17番では123ydから50度のウェッジを握ったセカンドがキャリーでピンまで飛び、キャディのミック・シーボーンさんと顔を見合わせて驚いた。「アドレナリン出てる?すごく飛んでるよね」。心技体の充実を実感するラウンドだったからこそ、4月「DIOインプラントLAオープン」最終日にマークした「63」と比べても、手応えは上回ると強調する。
カットライン上の55位通過から、通算9アンダー13位にジャンプアップした。昨季日本ツアーでは第4ラウンドの平均スコアでツアー1位の「68.5962」を記録。ここ米国でも決勝ラウンドを迎えると、自然と力がみなぎるのは変わらない。「根拠のない自信というか、本当はその自信を予選ラウンドでも出せるようにしたい。安心してプレーしたいのに、いっつも(予選通過)ライン上にいるから、自分でも『もうやめてよ~』ってなります」と笑うが、残るは得意の最終日18ホール。もっともっと上を目指していく。(ミシガン州ベルモント/亀山泰宏)