古江彩佳は3戦連続トップ5 メジャーへの心構えも自然体
◇米国女子◇みずほ アメリカオープン 最終日(4日)◇リバティーナショナルGC (ニュージャージー州)◇6656yd(パー72)
順位がどんどん上がっていく様子を、古江彩佳が確認したのは最後の最後だった。18番で2打目をバンカーに入れ、グリーンに向かう時に目をやったリーダーボード。「(他選手は)全く気にしていなかった。本当に風が強くて自分のプレーだけに集中していました」。残した3mのパットも見事に決めてパーセーブ。上位と差があったとはいえ、通算7アンダーはホールアウト時点でクラブハウスリーダーのスコアだった。
前週の「バンク・オブ・ホープLPGAマッチプレー」を2年連続2位で終えた次の試合。ちょっとやそっと(とは言えないはずだが)の疲れでは古江の集中力も、勝負強さも削がれなかった。12位で迎えた最終ラウンドは前半3番でボギーが先行した後、7番までに3バーディ。後半11番で3m強のパーパットを外さず、「流れを切らさずに行けたのが良かった」と終盤も持ちこたえた。
ティが前に出てグリーンまで260ydほどに設定された16番、1Wで攻めた。ピン方向に打ち出されたショットは花道を伝ってバーディ、イーグルチャンス…と思った瞬間、傾斜に弾かれ右サイドのクリークへ。不運なシーンにも動じることなく、「しっかりパーセーブしようと」と切り替えてスコアを守り、17番のバーディで「69」。4位に入り、出場3試合連続、今季5回目のトップ5入りを決めた。
前週はネバダ州ラスベガスで、昨年に続いて5日間7マッチを戦い抜き、最終日の深夜便で東海岸に移動してきた。決勝で敗れた相手、パジャレー・アナナルカルン(タイ)が今週予選落ちしたこと思えば、古江のタフさがいっそう光る。
今後は22日(木)開幕の「KPMG全米女子プロ選手権」(ニュージャージー州バルタスロールGC)、7月には「全米女子オープン」(6日~/カリフォルニア州ペブルビーチGL)とメジャーが2つ控える。並々ならぬ意欲も湧いてきそうで、古江はビッグイベントにピークを合わせるつもりもない。「その辺は全く考えていなくて。その日にならないと自分の調子も分からない。その都度、自分の体に合った対応ができればいいという感じです」
視線はまた目の前の試合。次週は同じニュージャージー州での「ショップライトLPGAクラシック by Acer」(シービュー・ドルチェホテル ベイコース)になる。9日(金)開幕の3日間大会は普段よりも1日休みが多いが、「火曜日は動きますね。月曜日は…考えてます」と次もフル回転だ。(ニュージャージー州ジャージーシティ/桂川洋一)