渋野日向子は今季初のトップ10入り 「落ち着いたゴルフが1年間できるよう」
◇米国女子◇LPGAドライブオン選手権 最終日(26日)◇スーパースティションマウンテンGC(アリゾナ州)◇6526yd(パー72)
トップと3打差で最終日を迎えた渋野日向子は最終組から3つ前の組で、午後1時15分にティオフした。名前をコールされると、素振りをしてからいつものように帽子に手を添えてコースへ一礼。ドライバーショットは高々と飛んでいった。
「やっぱり緊張感はあった」。逆転して優勝するにはビッグスコアを出す必要があると思っていた。2番(パー5)で左から風吹く中、ハイブリッドで2オンに成功してバーディを奪取。「チャンスはあると感じていた。9番も短いパットを外してボギーにしたけど『まだ分からない』って」
3番で2打目をグリーン左手前のバンカーに落とし、3打目は左足だけが砂地で右足を曲げて打たないといけない困難なライ。一打では出せなかったが、3mのパットを沈めて4オン1パットの“ナイスボギー”にし、4番ですかさず6mを入れて獲り返した。ラウンド中に気落ちしたのは9番のパーパット。50㎝を「ちょっと引っ掛けちゃった」とカップ左にそれた。緊張して「テンポが速くなって」と振り返った。
後半も粘り強くプレーし、17番(パー3)では8Iでピンそばにつけてバーディを奪取。「それなりに今までよりはバーディが獲れていいプレーができた。ボギーも打ったけど。色々前向きになれるようなゴルフだったかな」と表情を明るくした。
「昨年も(試合で)最終的にトップ10とかに入りはしたけど、そんなに優勝争いを狙える位置でのスタートではなかったし、全英(3位)も最終日は伸ばし切れなかった。きょうは試合の中で、いい位置にいると自分はこうなるんだ、というのが冷静に見られた感じはある。自分の癖が分かれば次に生かせる。そこはしっかり見直したい」
今季は「勝つことにこだわりたい」と話していた渋野。初日に2オーバー126位と出遅れたが、2日目に自己ベストの「64」をマーク、3日目を「65」、最終日を「69」として通算16アンダー7位で終え、今季初めてトップ10に入った。
「安定したゴルフができるように、というのは自分らしくない。自分らしくはないけど、なるべく落ち着いたゴルフが1年間できるように、もっと自分を知って。ゴルフにつなげられるように頑張りたいです」。次戦は30日開幕の「DIOインプラントLAオープン」(パロスバーデスGC)。4日間で得た収穫をしっかり持って、カリフォルニア州へ移動する。(アリゾナ州ゴールドキャニオン/石井操)