きっと、次こそは 2022年ベストショット3選【村上航】
コロナ禍を経て、徐々に日常を取り戻した2022年。国内外とも主要ツアーは一部を除き、スケジュール通りに開催された。緑の芝を闊歩(かっぽ)し、暑さ寒さ、風に雨と自然とも闘ってきたフォトグラファーたちが切り取ってきた光と影。その一瞬にスポットライトを当てる。GDOとともに旅を続けたプロフェッショナルが選んだ今年の3枚。第6回は村上航カメラマン編。
<パロスバーデス選手権 初日 渋野日向子>
2022年、「シェブロン選手権」、「ロッテ選手権」、「AIG女子オープン(全英女子)」で優勝争いを演じた渋野日向子選手。ルーキーシーズンとして上々だったと思いますが、それは私の価値観であって、本人の中では歯車がうまくかみ合わないと思っていたのではないのでしょうか。
シーズン中、かなりつらそうにしている姿をよく見ました。「パロスバーデス選手権」初日にはパットを決めきれず、ホールアウト後は泣きながら練習していました。流した涙の分、来季は渋野選手が納得できる年になることを願っています。
<WMフェニックスオープン 2日目 名物16番>
トーナメント撮影を始めて25年の月日が経ってしまいました。25年の間、色々な試合や場所に行かせてもらったのですが、一度は行きたいなーと思っていたのがTPCスコッツデール。名物の16番のスタジアムホールを見たいな、と。
人づてに「とにかくすごい」と聞いてはいましたが、それでもさすがに「マスターズや全英よりはすごくないでしょ」とも思っていました。いやいや、ビックリしました!とにかく人が多い!カーニバルでした。メジャーの雰囲気とはまた違って“お祭り感”がすごいし、とにかくお酒を飲んでる人が多い(笑)。
ギャラリーはとても楽しそうに観戦していました。いつか日本でもこんなトーナメントができたらいいのにな…。その時はお酒を片手に、ギャラリーとして行きたいものです。
<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 最終日 山下美夢有>
最終戦の「リコーカップ」はとにかくドラマが多い印象です。長いシーズンを戦ってきて、女王争いが最後までもつれることもしばしば。今季は「伊藤園レディス」で早々に女王が決まり、正直なところ、今年はのんびり撮れるなーなんて思ってました。
さすがに女王を確定した選手が優勝してきれいに締めくくるとは…。しかも、プレーオフで長いパットを決めての優勝。近年盛り上がりを見せる女子ツアーですが、試合自体もドラマチックな展開が多いんですよね。勝つべき人が最後に勝つ―。いやはや、恐れ入りました。