2022年 CMEグループ ツアー選手権

イライラも集中切れず 渋野日向子「プラスの方が大きい」

2022/11/19 07:20
グリーン上で苦しみながら、チャンスは作り続けた

◇米国女子◇CMEグループ ツアー選手権 2日目(18日)◇ティブロンGC ゴールドコース(フロリダ州)◇6556yd(パー72)

カップをひと筋それるボールを見送る背中には、明らかなイライラがにじむ。それでも渋野日向子は後半ショットで好機を演出し続けた。「外れた瞬間は『はっ?』みたいな(笑)。それなりにイライラを保ったままではあったけど、それが力む原因になったわけでもない。集中力を切らさなかったし、プラスの方が大きいのかな」と少しだけうなずいた。

フロリダらしからぬ冷たい強風が吹きつける朝のスタートで、1番(パー5)から5mほどを沈めてバーディ発進。しかし、その後は「まあ、ロングパットが下手くそすぎる」と自虐節で振り返るプレーが続いた。微妙な距離のパーパットを打つことが増えながら2番のボギーひとつで我慢したかいもあって、6番パー5では会心の一打も飛び出した。

「スコットランドみたいな壁」にくっついた7番。何とかボギーに収めた

残り198ydのセカンドで5番ユーティリティを握ったのは、フォローの風を感じていたことだけが理由ではない。グリーン左奥までこぼれれば、すぐに池が口を開けているホールだ。「奥で池に入るよりは(手前の)バンカーでいいという想定でした」。リスク管理を徹底した上で思い切り振り抜き、花道を通して6mのイーグルチャンスを作った。イーグルトライは「(自分でも)マジで意味分からん(笑)」と口をとがらせるほど不満のパッティングとなったが、バーディパットを何とかねじ込んだ。

後半にかけてショットの状態は右肩上がり。初日に左へ引っ掛けるミスが多かったことを踏まえて切り返しが早くならないことだけ気をつけながら、ユーティリティでもアイアンでもウェッジでもチャンスメークした。そのほとんどを生かせなかったことを猛烈に悔しがりつつ、風の中でパーオン率77.78%(14/18)を記録したこと、4つあるパー5のうち3ホールでバーディを奪えたことは素直に喜ぶ。

ティショットを唯一ラフへ入れた17番でバーディ

通算1オーバー45位から臨む週末も、上を見て戦うだけ。「(予選)カットがないのに、何でそんなにショートするんだってくらいショートしているところもあった。攻めるところは、しっかり攻めないといけん」と気合を入れ直した。(フロリダ州ネープルズ/亀山泰宏)

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