175㎝からまだ伸びる? 「世界感じた」アマ馬場咲希が日本勢唯一のアンダーパー
◇海外女子メジャー◇全米女子オープン presented by プロメディカ 3日目(4日)◇パインニードルズ・ロッジ&GC(ノースカロライナ州)◇6638yd(パー71)
長い手足が目を引く175㎝の身長は、まだ伸びているという。「10カ月で4ミリくらい。176はいけるかなと思ってます」。メジャー初出場で予選を通過したアマチュアの馬場咲希(日本ウェルネス高2年)は屈託なく笑う。
カットラインギリギリでの滑り込み。なんとかつかんだ週末の切符が17歳にもたらすものは大きい。3日目の2サム同組は今季米ツアーの平均飛距離で3位(276.421yd)につけるビアンカ・パグダンガナン(フィリピン)。「実際に見てみたら、とんでもなかった。“世界”だなって思いました」と興奮気味に語った。
迫力に圧倒されそうになりながら、プレーは堂々としたもの。1番(パー5)で手前からの寄せをピタリとつけるタップインバーディ。やはりパー5の後半15番を獲った直後の16番(パー3)では、グリーン奥から21ydを58度のウェッジで流し込むチップインで2連続バーディを決めた。「イメージが浮かんで、コロコロ寄っていく予定だったのが入っちゃった。すごくハッピーでした」。4バーディ、3ボギーの「70」は3日目をプレーした5人の日本勢で唯一のアンダーパーとなった。
「初日、2日目、3日目とどんどん良くなってきている」というショットは、練習場で海外のトッププロを見てインスピレーションを得た部分もある。「海外の選手のフィニッシュを見ても抑えている感じで、体(ボディターン)で振っているのかなって。これまで振りちぎったりすることが多かったんですけど、体でゆったり振っていくイメージで打っていたら良くなった」。力感を抑えつつ、持ち味の飛距離は3日目のドライビングディスタンスでフィールド14位の272.70ydを記録。秘めたポテンシャルは計り知れない。
ネリー・コルダに憧れ、将来は参戦を目標に掲げる本場での1週間。「ゴルフをしていても“世界”を感じる。すごく楽しいし、もう帰りたくない」と笑顔がはじける。17歳の誕生日に国内の最終予選会で切符をつかんだ特別な経験も残り18ホール。「環境を作ってくれている人とか、ここに来られたのもスポットスポンサーの方々のおかげ。きょうみたいに攻めすぎず、でも攻めるところは攻めて、バーディをたくさん獲りたい」。2オーバー31位で迎える最終日。初々しく大舞台を楽しみつくす。(ノースカロライナ州サザンパインズ/亀山泰宏)