首位発進の畑岡奈紗 絶好調パターの秘訣は打つ前にあり
◇米国女子◇LPGAドライブオン選手権 初日(3日)◇クラウンコロニーG&CC(フロリダ州)◇6592yd(パー72)
29人が出場した開幕戦18位、前週は6位から出た最終日にスコアを落として20位。不完全燃焼が続いていた畑岡奈紗は開幕前日、コーチに助言を求めた。パッティング面で折に触れて頼りにしてきたガレス・フロースキー氏は、アリヤとモリヤのジュタヌガン姉妹(タイ)らを指導するカナダ人コーチだ。
指摘されたのは技術面ではなく打つ前の準備だった。「ルーティンを大事にしよう」。違う動きを取り入れるのではなく、改めて一連の流れを整理。「打ち出しのことだったり、アドレスしてからも考えちゃうことが多かった。多分、それでアドレスして打つまでのタイミングがバラバラになっていた」。構えた後も2回顔を上げてカップを見てから打つ。リズムが整い、ストロークも安定した。
スタートの10番からスネークラインがジャストタッチでカップイン。「今までだったら(ショットで)寄せないと獲れないという不安があったけど、最初のパットが決まって、もうちょっと遠くても(きょうのパットなら)バーディチャンスになるというのがあった。すごくパターに助けられた」。唯一のボギーを喫した13番の直後の14番でも、ミドルパットを流し込んでバウンスバック。17番(パー3)、18番(パー5)と2連続バーディで折り返し、後半も4つのバーディを積み重ねた。
「練習場でやっていることをコースに持って来られていない」とショット面の自己採点は相変わらず厳しめ。5mほどのイーグルチャンスにつけた後半5番(パー5)のセカンドは「ちょっとミスショット。左のバンカーに入らなくて良かった」。手前2mに絡めた8番のウェッジショットも「当たりが薄かった。ちゃんと当たっていれば、ピンまでキャリーしていた。当たりが薄かった分、2yd届かなかった」と一切の妥協を許さない。
試行錯誤を続ける中で7アンダー首位タイのロケットスタート。ここまで米ツアー5勝のうち4勝が54ホールでの決着だった(悪天候で最終日中止の昨年7月「マラソンクラシック」を含む)。「自分で(決めたことを)ちゃんとやり切れたらいいかな。まだあと2日あるので何とも言えないですけど、3日でしか勝てないって言われないように頑張りたいですね」と笑わせた。(フロリダ州フォートマイヤーズ/亀山泰宏)