敵は“堅揚げポテチ”グリーン 渋野日向子「メジャーよりも緊張感」
◇米国女子◇Qシリーズ(2週目) 事前(8日)◇ハイランドオークス (アラバマ州)◇6677yd(パー72)
1週目の72ホールを戦い終え、330kmほど離れたアラバマ州ドーサンへ移動してきた渋野日向子は「いまは疲れている状態」と苦笑交じりに言う。
それでも、連日朝早く会場に入って18ホールを回り、ラウンド後もみっちりと練習。「不安要素を減らしていきたいって思っているから。(コースを)知れば知るほど良いってわけでもないと思いますけど、私の中でやれるだけやったと思える準備ができた状態で臨める方が悔いはないかな」というのが妥協なき取り組みの原動力だ。
今週よりもっと前、長い時間をかけてこの合計8日間の戦いに備えてきた。「メジャーよりもね、気持ち的には緊張感があるかもしれないです」。いつものような軽妙なやり取りでも、言葉の端々に“熱”が宿った。
今回渡米して最初に回ったコースでもあるハイランドオークス。警戒度は過去最大級まで上がっている。「いやもう、傾斜がすごすぎる。“堅揚げポテチ”みたい」。ピンと同じ段にショットを乗せられなければ、途端に2パットで上がることも怪しくなるグリーンのアンジュレーション。特に上から下の段に打つパットは「サヨナラ~、みたいな(笑)」。グリーンを飛び出すことも覚悟しなければならないケースすらある。
このQシリーズでバッグを担ぐ藤野圭祐キャディは、渋野が優勝争いを演じた昨年12月「全米女子オープン」(テキサス州チャンピオンズGC)にも帯同した。優勝スコアが3アンダーだったメジャーと比較して「グリーンだけを見たら、全米女子オープンより難しいかもしれません」と証言。練習ラウンドを終えると、再度グリーンチェックのため一人でコースを歩き回るのが日課だ。
「上りは打っていきたいところはありますけど、(基本的に)全部タッチを合わせていく、くらいじゃないと。1回エッジを挟んでボールの速度を落として…っていう攻め方もしないといけないのかな」とイメージを膨らませる中、救いは連日の雨でグリーンが止まりやすくなっていること。「4日間悔いの残らないように頑張って、夢の舞台に立てるように頑張りたい」。6アンダー24位から、出場優先順位が高くなる20位以内を目指す勝負の72ホールが始まる。(アラバマ州ドーサン/亀山泰宏)