“遠回り”じゃないスタート地点 渋野日向子「全英に勝ってメンバー登録しなくて良かった」
◇米国女子◇Qシリーズ 事前(1日)◇マグノリアグローブ(アラバマ州)◇クロッシングズコース6664yd(パー72)、フォールズコース6643yd(パー71)
渋野日向子は改めて「2年前、全英に勝ったときはこっちに来たい気持ちはあんまりなかった」と振り返る。
「AIG全英女子オープン」を制したときにメンバー登録をすれば2年シードを与えられていたが、見送る決断をして“今”がある。「やっぱり、このQシリーズの経験ってホントに大事なことだと思う。いま考えれば、全英女子オープンで優勝して、そのままメンバーシップ登録をしなくて良かったかなって思います。この経験をして通ることができれば、ツアーで戦うときに経験も生かせる」。8日間144ホールというタフな経験をすることもポジティブに捉えている。
メンバー登録見送り以降、スポット参戦を重ねて膨らんでいった米挑戦の思い。特に今年に入ってからの取り組みは、米国で戦っていくことを見据えたトライだ。「将来的に(US)LPGAツアーで戦うためにスイング改造だったり、マネジメントの勉強をしてきた。今回、まずそれを発揮する大きなところだと思う。約一年間やってきて、この場でできることがこれからにとっていいことだと思う」とうなずく。
前週のうちにアラバマ州モービルに降り立つと、まずは車で3時間半かけて同州ドーサンへ。次週2週目の会場を一日チェックしてから戻り、今週使用する2つのコースを2ラウンドずつプレーした。
気温一桁台まで冷え込む朝から一転して20℃超まで上がる寒暖差、ティフトン芝からのアプローチなど入念に情報収集。「4日間の日本のQTなら、一日でもこけたら、すごく影響が大きい。まず4日間で予選落ちもありますけど、一日の結果に対してあんまりクヨクヨしないというか。ひとつのミスでめげないように。試合になったら、(ミスに対して)カチンと来ちゃうかもしれないけど…」と笑いながらメンタル面のポイントも挙げた。
「やっとスタート地点に立てる場所に来られた。悔いの残らないように、今までやってきたことを信じてやりたいと思います」。2年分の思いを胸にティオフを迎える。(アラバマ州モービル/亀山泰宏)