笹生優花は“初物”だろうが負けたくない ルーキーイヤーは「準備じゃない」
◇米国女子◇ショップライトLPGAクラシックby Acer 最終日(3日)◇シービュー・ア・ドルチェホテル (ニュージャージー州)◇6190yd(パー71)
「初めてのコースだから(良い)スコアが出ない、というのは言い訳にしかならないと思う」。それが6月の「全米女子オープン」優勝でツアーメンバーに加わった笹生優花の考え方だ。今週も前週同様、初出場大会で連日アンダーパーを記録。通算7アンダーの19位でフィニッシュした。
1イーグル2バーディ、2ボギーの「69」。最終日にスコアを伸ばした3ホールには20歳の魅力がいっぱいに詰まっていた。前半3番(パー5)、残り190ydから4Iでの2打目をピン左手前2mにピタリ。「ほぼ真っすぐなライン」を逃さずイーグルを先行させた。
3パットを喫した6番のボギーを挟み、連日フェアウェイウッドで刻んできた8番では1Wを強振してグリーン手前のラフまで運ぶ280ydドライブ。2打目をピンに絡めてバーディを決めた。「みんなが見ているのは結果。ボギーだったら『なぜドライバーだったんだ』となるところ。結果が良かったから良かった」
さらに後半14番は右ラフからの第2打、前方には木の枝、足元に切り株があるライからグリーンに乗せてバーディ。「葉っぱに当たってしまったが、距離が出てくれた」というショットにギャラリーは大いに沸いた。
パッティングでいくつかのチャンスを外したこともあり、「きょうはグリーンに合わせられなかった」と反省の弁が口をつく。パーオンに失敗したのは、ティショットを左バンカーに入れた後半15番(パー3)だけ。「ボールの転がりが悪いわけでも、ピンポジが難しいわけでもなかった。ラインとスピードがなかなか合わなかったところが大きい」と悔しそうに振り返った。
2021年は初戦だった国内ツアー「ダイキンオーキッドレディス」を除いて、全て予選を通過。シーズン途中から始まった米ツアーの今シーズンの残り試合は“来季への下準備”という見方もできるが、笹生はそれを否定する。
「準備とは自分は思っていないんです。どんな試合でもいい成績を出したい。スコアが悪くても良くても、自分にその時、その時でできることを精一杯やるのが自分の考え。今年回ったから、来年もこのスコアで回れるかは分からない」。次週の「ファウンダーズカップ」(ニュージャージー州マウンテンリッジCC)も勇んで足を踏み入れる。(ニュージャージー州ギャロウェイ/桂川洋一)