2020年 ショップライトLPGA

メル・リード 母親の死、渡米生活を乗り越え念願のツアー初勝利

2020/10/05 14:07
33歳で初優勝したメル・リードが勝利の美酒に酔った(Michael Cohen/Getty Images)

◇米国女子◇ショップライトLPGAクラシックby Acer 最終日(4日)◇シービュー・ア・ドルチェホテル(ニュージャージー州)◇6190yd(パー71)

33歳のメル・リード(イングランド)が後続に2打リードの通算19アンダーでツアー初制覇。欧州ツアーではこれまで6度の優勝を果たしたが、「今回の勝利は、これまでのヨーロッパで勝ってきたのとは全然違うもの。世界一になりたいのであれば挑まなければならないツアーで、正直人生が変わります」と念願の勝利に目を輝かせた。

2007年12月にプロ転向、欧州ツアーを中心に力を磨いてきた。2012年5月に応援で駆け付けていた母親を交通事故で亡くして辛い時期もあったが、「人生は、何を投げつけられてもどう対応するかにかかっている」と懸命に走り続けてきた。

16年に米ツアーの予選会(QT)で8位タイに入り、出場資格を獲得。翌17年から主戦場を米国へと移した。「快適な場所や友人、家族と離れ、大きな犠牲を払ってアメリカに渡って、それが実を結んだ。世界クラスの選手になりたくて、やっとなれてホッとした。謙虚に、正しい行いをしていれば良い人には良いことが舞い込んでくる」

18年には自身が同性愛者であることを公表しており、非営利団体「アスリート・アリー」の過去のインタビューで「キャリアやスポンサーを増やすためにセクシュアリティを守ってきたけど、こんな私をスポンサーにして代表になってもらいたいと思うだろうか考え始めた」と自身をさらけ出した。

父親や姉弟にも優勝報告も済ませ、「大喜びでした。私だけじゃなく、チーム全員、家族、友人にもこの瞬間の喜びを分かち合えたことに感謝しています」と優勝を噛みしめた。天国の母親については「彼女も多分支離滅裂な人だからうまく話せてないと思う。でもそうね、ワインを飲んでいると思うわ」。グリーン上でシャンパンシャワーを浴びたリード。夜まで美酒に酔いしれることになりそうだ。

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