初出場のメジャー 河本結と稲見萌寧はリンクスで課題整理「強くならなきゃ」
◇メジャー第1戦◇AIG女子オープン(全英女子オープン) 2日目(21日)◇ロイヤルトゥルーンGC(スコットランド)◇6649yd(パー71)
ともにメジャー初出場となった河本結と稲見萌寧は、それぞれ13オーバー115位、14オーバー123位で予選落ちした。巻き返しを狙った第2ラウンドは風雨の厳しい午前中にスタートし、バーディを獲れないままリンクスを去った。
河本結「キレるべきか、ガマンすべきか」
初日4オーバー、日本勢では上から3番目のスタートだった。河本は前半6番(パー5)のトリプルボギーで戦況が一気に厳しくなった。12番ではグリーンサイドのバンカーで目玉をつくり3打かけて脱出。ダブルボギーでカットラインが遠のいた。
2日間を通してショットの調子は悪くなかっただけに「自分のゴルフと結果がマッチしていない。まだ整理がついていない」と苦笑いした。待望のメジャー、最初の相手は経験の浅いリンクス。「自分の良いショットが大きくバウンドしたり、アンラッキーのほうに跳ねたり。アゴの近くに止まってペナルティを払わなくちゃいけなかったり、目玉になったり…。これもゴルフなんだなという感じ。アンラッキーを許容範囲として受け入れる心を持っていないと。そこはしっかり大人にならなきゃいけない、強くやらなきゃいけない」と受け止めた。
次週「ウォルマート NW アーカンソー選手権」以降も主戦場の米ツアーを渡り歩く。週明けのチャーター機で米国に戻る予定。コース内外で勉強の日々が続く。この日のラウンド中も、同伴競技者を見て思った。「(後退したときに)キレるのが良いのか、ガマンするのが良いのかは実際のところ分からない。一緒に回った選手はキレて、クラブをぶん投げていたけれど、良いスコアで回った。フラストレーションの抜き方は自分に合ったものを見つけないと」。目にするもの、肌で感じるものすべてが優れた教材だ。
稲見萌寧はメジャーチャンプとの2日間に感謝
辞退者が出たことで大会の1カ月前に出場権が巡ってきた稲見は、「“人生初”と言えるくらいの難しさ」と「77」、「79」の2日間を振り返った。「前半は雨と風がずっと続いて、1Wショットが滑ってしまったり、曲げて(2打目で)出すだけ、というボギーが何個かあった。身体も冷えて、ちょっと動かないのもあった」。スコットランドの厳しい気候を全身で体感することになった。
ダブルボギーをたたいた13番では、右サイドのブッシュからの2打目、ウェッジでも「3、4ydしか飛ばなかった」という。「ティショットが怖くなってしまった。左を嫌がって思い切り開いてプッシュしたりして。スイングが分からなくなって、球筋を信じられなくなった」と環境に翻弄され、悪循環に陥った。
実力不足を痛感した中でも、貴重な体験になったのがメジャーチャンピオンの2人、朴仁妃(韓国)とレキシー・トンプソンとの同組ラウンド。「レキシーさんはアイアンでもティショットで(自分の1Wと)同じくらいまで来る。どんなブッシュに入ってもパワーでうまく球を上げたりして、すごく上手だなと。仁妃さんはすべてに安定感があって」。帰国後は自主隔離期間を経て、最短で出場可能なのが9月「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」となる。「(心が)折れすぎて、逆に真っすぐなった感じ」と気持ち新たに復帰戦を待つ。