2019年 AIG全英女子オープン

「あなたはスマイルシンデレラ」 渋野日向子に“世界”の呼称

2019/08/03 05:35
笑顔で緊張感あふれるラウンドを終えた渋野日向子

◇海外女子メジャー◇AIG全英女子オープン 2日目(2日)◇ウォーバーンGC(イングランド)◇6585yd(パー72)

首位と1打差の2位タイで出た渋野日向子が午後組で「69」と伸ばし、通算9アンダーの単独2位。初出場のメジャーで、3日目は最終組に入る。試合後の取材では海外記者に心境を問われ「Very Happy、とてもHappy」。常に明るい受け答えで、現地メディアの心を鷲づかみにした。

緊張感あふれたラウンドを4バーディ、1ボギーで回り「はい。疲れましたね」。2連続バーディを先行した後、4番で5mをショートさせ3パットボギーを喫したが、5番で119ydから9Iで1mにつけバウンスバックした。10ホール連続パーで耐え、終盤16番で単独首位に踊り出る4つ目のバーディ。「これを入れたら単独になるとは知っていた。緊張しましたね」。好発進した大会では崩れるという懸念を覆し、「パットを外すところもあったけど、良かった。みんなビックリ、私もビックリです」とほおを緩めた。

一年前のプロテストに合格した20歳は今季、“シンデレラストーリー”と表現されるほどの急成長を見せる。国内2勝を挙げ、初の海外遠征。プレー中に絶やさない“笑顔”はいまや、彼女の代名詞になった。「(一年前は)こんなところにいるのは、想像していなかった。レギュラーツアーに出られているかな、って感じだったから。今年の調子はすごく良いと思う」

日本の報道陣に対応した後、LPGA(米国女子ゴルフ協会)のインタビューを受け、さらに3人の海外記者に囲まれて質問攻めにあった。

「イギリスでどこに行きましたか?」「日本とイギリスのトイレの違いは?」「日本でシンデレラと呼ばれているらしいけど、その気持ちは?」「なぜラウンド中にそこまで笑っているの?」。ゴルフ以外の質問にも通訳を介して抵抗感なく笑顔で答える姿に、現地の女性記者の一人が「You are Smile Cinderella」(あなたは“スマイルシンデレラ”ね)と命名した。

首位のアシュリー・ブハイ(南アフリカ)を3打差で追う週末に向け「できすぎだけど、いまの順位にいたら(優勝争いを)必然的に意識しちゃう。この調子ならば通用するとも思ったけど、日本とも全然違う緊張感。あすもきっと緊張しますよ」。英国の空の下、変わらぬ笑い声を上げながら、決勝ラウンドを見据えた。(イングランド・ウォーバーン/林洋平)

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