<初Vは近いぞ! ゴルフ界の山Pがオフの荒稼ぎ>
遅れて来ても、爽やかだった。大阪伊丹空港を、駆けてきたのは地元関西の星、山下和宏。まさに凱旋ランだ。先週は、なんとわずか1週間で“2勝”をあげた。まずは5日に、京都の田辺カントリー倶楽部で行われた京滋オープンは1日競技のツアー外競技で優勝を飾ると、さらに3日後の8日は2日間競技の兵庫県オープンで大会2勝目。その最終日は翌日9日に宮城県仙台で控えたスナッグゴルフ全国大会で、キャプテンの谷口徹らとJGTOドリームチームを結成して、子どもたちとのガチンコ勝負が控えていたから、焦った。
谷口と、もうひとり伊丹空港から一緒に出発する予定だった上平栄道も兵庫県オープンに出場していたが、2人ともV争いにはほど遠く「ホールアウトして、いったん家に帰って昼ご飯を食べて、お昼寝までしてきた」という上平に対し、3打差5位から逆転優勝を飾った山下は、それから表彰式を済ませて、コースから高速を飛ばして空港に向かったが、魔の宝塚トンネルで事故渋滞に出遭い、「間に合わない!」。谷口らと乗るはずだった便も一度は諦めて、JGTOのスタッフに遅れる一報を入れておいたのだが「ギリギリセーフ・・!」。
チェックインの締め切り間際のゲートに駆け込んできて、待ち構えていた谷口、上平とハイタッチで「やっぱり、今の僕はついてる!」。ゲートに走ってくる姿も、相変わらず爽やかな山下には、相変わらず、皮肉たっぷりの谷口。
「山Pは、また小銭ばっかり稼いで」とか、このほかまだ地区オープン時代の関西オープンなど、こと地区競技に関しては、数々の優勝経験を持つ山下にむかって「地方あらし!」との嫌味も、当の山下はどこ吹く風。「谷口さんは、今日は早く帰られたんでしょ~」と、平然と、たとえ1日間競技でも、勝ちは勝ち。山下が3日間で稼ぎに稼いだ賞金は400万円なり。
直近のレギュラーでも、2試合連続のトップ3を果たしており、ツアーの空き週に、稼げるだけ稼げばいっそう自信もつく。「次はレギュラーで勝ちます!!」。「・・・おおっ、また大きく出たな!」(谷口)。周囲の冷やかしもどこ吹く風。ゴルフ界の山Pが、悲願のツアー初Vを掴む日は近い!!