<今年は来るぞ!“チーム谷口”開幕連続Vでアピールだ>
ジャパンゴルフツアーの開幕を目前に、海外から嬉しいニュースが飛び込んできた。ワンアジアツアーとの共同主管で行われた「インドネシアPGA選手権」で、日本人チャンピオンが誕生したのだ。灼熱の国で松村道央が自身のツアー4勝目を飾った。
海の向こうから届いた朗報に、一番喜んだのは、師匠だったかもしれない。もちろん、師弟関係であっても、互いに勝負師同士だから間違っても、「松村が勝って僕も嬉しいです」などとは口が避けても言わない。まして、もともと弟子には愛のムチを振るうタイプ。弟子の朗報にも谷口徹は、相変わらず憎まれ口こそ叩きながらも、終始満面の笑みで本当に嬉しそうに見えた。
「まさか道央が勝つとはな~」と、言いながらもニヤニヤと、谷口にはそれほど予想外の結果でもなかったようで、今年はオフ恒例の宮崎合宿では、弟子の成長ぶりにひそかに舌を巻いていたという。
「今年の道央は今までで見てきた中で、一番球も飛んでいたし、一番状態が良かった。おまえ急にどうしたん、というくらいに」とひとしきり、珍しく(?)べた褒めしたあとで、しっかりとオチをつけるのも忘れなかった。
「・・・では、今年の合宿では、さすがの谷口さんもお弟子さんにやられた(負けた)のですね?」と、水を向けると「何を言うんですか!!」と目を剥き破顔一笑。
「俺があいつに負けるわけがない。きっちりやっつけときました」。
そして、「僕も今年はいつになく調子がいい。この時期にしては珍しいくらいに」と、開幕間近のシーズンをにらんだ。
師匠がそんな負けず嫌いだからこそ、弟子のやる気にもいっそう火がつく。今季初戦を制した松村は、しみじみと言っていたそうだ。
「このオフも、谷口さんと一緒に過ごしてすごく励みになった」。特に、師匠の体のコンディション作りには学ぶところが多いようで、ひとまわり逞しさを増した体もその影響によるところが大きい。早々の弟子の活躍に、師匠の心にも火がついたのは間違いない。谷口は昨年、ついに未勝利に終わったことも年をまたいで心にくすぶり続けているはず。いよいよ今週の開幕戦では“チーム谷口”の連続Vでさっそくその鬱憤を晴らさんと、虎視眈々だ。