<世界のキタノが松山に指南! たけしさんが伝授した人生の極意とは>
やっぱり世界を舞台に活躍するような人は、普段の心がけからして違うのだ。そう痛感したのが先週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」。恒例のプロアマチャリティトーナメントに登場した北野たけしさんは、松山英樹とのラウンド中に言ったという。
「俺は博打はやらないんだ」。なぜと、問いかけた松山にたけしさんは持論を説いた。
「たとえば麻雀やって、欲しい牌を引いたりしたら、あんたのゴルフでバーディ1個取るツキをなくすだけじゃないかって。どうせなら、俺は仕事でツキたいから。どうしても付き合いなら俺は、はなから負けるつもりでやる」と、たけしさんは言ったそうだ。
確かに、たとえばアルバトロスを達成したときなどに、選手もよく言うことだが、「帰りの運転は気をつけます」。そこでひとつ大きなツキを使い果たしているから、その反動が怖いという意味である。それと同じ原理でたけしさんは、「博打なんかで当たったら、そっちに吸い取られちゃう。ツキは、自分の仕事のために取っておきたい」。
深い・・・深すぎる。頭では分かっていても、一時の欲望に負けてしまうのが、凡人の性。97年に「HANA-BI」でベネチア映画祭の金獅子賞を受賞した北野監督の金言。たけしさんはこうも言ったそうだ。
「あなたもパットが入る、入らないも自分次第でしょ」と。一流は、自らの運命すらそうやってコントロールしているものなのだ。
松山はほかにも、「結果を焦るな」とか、「アメリカに腰を据えろ」等々のアドバイスを授かったそうだが、分野は違えど「頑張らなくちゃいけないのは一緒。そういう考えが返ってきたのは良かった」と、同じ世界を股に活躍する者として、松山の心にもグっと来るものがあったようだ。
どうせツクなら、ゴルフの世界でツキまくれ。せっかくたけしさんも「松山くんは潜在能力が桁外れ」と、太鼓判を押してくれたのだから。持って生まれた才能で、世界中で暴れまくれ。「どんなスポーツでも、今はじゃんじゃんと世界に出てやらないとダメだけど、松山くんなんかはどう見ても本場で勝負出来るし、世界で腹を据えて頑張って欲しいな」と、世界のキタノも期待している。