ツアープレーヤーたちのファンサービス<宮里聖志>
ジャパンゴルフツアーのオフィシャルガイドブックに掲載される、選手プロフィール用の顔写真は毎年プロのカメラマンの手によって前年の秋ごろから撮影が開始される。
それはちょうど、シード権争いが激化する時期でもある。すでに確定させている選手も、ボーダーライン上にいる選手も、はたまた、まだまだ遠く「圏外」で危機感を漂わせている選手も、そんな思いはひとまず秘めて、会場の一角に設置された「仮設スタジオ」の椅子に座るわけだ。
昨年12月の「アジアジャパン沖縄オープン」でツアー初優勝を飾った宮里聖志も、当時は「圏外」の選手だった。だが、今年のガイドブックの写真を見る限り、そんな焦りは一切見られない。というよりむしろ、思わず「プッ」と吹き出してしまうほど、ユーモラスな表情で写っているのだ。
「藍ちゃんのお兄ちゃんて普段、こんな髪型してたっけ?」と思わず首をかしげてしまう。なんだか、妙にビシっと七三(しちさん)に分かれた前髪と、ちょっと大げさとも思える作り笑い。「素」で撮ったにしてはあまりにも不自然な写真だと思い、開幕戦で本人を直撃してみたところ、「まさか!やめてくださいよ~。あれはイマカツさん(今井克宗)にやられたんス」との答え。
なんでも、聖志が撮影中にちょうどそばを通りかかった今井が、「ちょっと待った!」と、ロッカールームから取ってきたのは整髪スプレー。それをいきなり聖志の頭に吹き付けて、あっという間に髪をセットしてしまったというのだ。
「『やめてくださいよ~』って、一応は抵抗したんですけどね。いっそまじめな顔して写るよりはずっとファンのみなさんに楽しんでいただけるかもと思って。カメラマンの方には、そのまま何カットか撮ってもらって、『適当に使ってください』と伝えたんですよ」
そして出来上がったのが問題の写真。家族や友人にも大ウケで、特に新妻の博子さんは「ヤなことがあったときも、あの写真を見ただけで和めるわ~」と、いたくお気に入りの様子。
ちなみに、ジャパンゴルフツアーのオフィシャルウェブサイトに掲載されている聖志の写真は、ガイドブックとはまた別バージョンなのだが、これもまたちょっとおどけたような表情が笑える。
「些細なことでも、みなさんに楽しんでいただけたら本望です!」という聖志。アジアジャパン沖縄の賞金は2005年ツアーに加算されるため、現在、堂々の賞金ランクトップ。「特に意識はしてないけれどせっかくだから、できるだけ1位にいたい」と、張り切っている。
なお、聖志も含めた105人のシード選手と、チャレンジトーナメントと予選会で出場権を得た97人のプロフィールが載ったジャパンゴルフツアーオフィシャルガイドブックは、現在、好評発売中です!