国内男子ツアー

ツアープレーヤーたちの真剣勝負<桑原克典VS谷口徹>

2005/01/10 09:00
練習ラウンドから本番さながらの緊張感を持って挑んでいる桑原克典。パートナーの谷口徹にはいつも練習では勝てているが、本番では逆の結果となっている。2005年は本ラウンドでも勝負強さを発揮したい。

シーズン中の選手たちの戦いは、すでに練習日から始まっている…!と感じさせるエピソードをひとつ。桑原克典は練習ラウンドのとき、いつも一緒にまわっている谷口徹と桧垣繁正、豪兄弟と茶店ごとに賭けをしながらまわっているそうだ。

「次の茶店までにストロークで負けている選手が、みんなのジュース代を払うんですよ。それもね、他の選手だけでなくキャディの分も全部だから、負け続けると結構出費がかさむんです。だから、みんな練習日から真剣勝負ですよ」

さらにホールアウト後には、トータルで負け越した選手が、レストランでの昼食代も持たなければならない。ただ漫然と、コースをチェックするだけの練習ラウンドでは、なかなか本番時のようなプレッシャーは感じられないが、他の選手の飲み代や食事代がかかっているとなると話は別。

「みんな負けたくなくて、グリーンを読む目も真剣そのもの。それこそ、選手としてのプライドを賭けた戦いです(笑)。本番での試合勘を養う。一石二鳥なんです」と、桑原。

なんでも、この勝負にいちばん弱い選手が、意外にも谷口らしい。「谷口君には、これまでに結構ごちそうしてもらいましたよ~」と、ひとしきり嬉しそうに笑っていた桑原は、ふと真顔に戻ってポツリ。「あ…でも、もしかしたら谷口君は、練習ラウンドのうちにいっぱい負けているから、いざ本番で強いのかも」

練習時の悔しさを、本戦で思いっきりぶつけていくから谷口は、賞金王(2002年)までのぼり詰めることができるのかもしれない、と分析した桑原は「僕も来年からは、練習であまり勝たないようにしようかな…」と、真剣な表情で考え込んでいたのだった。