ツアープレーヤーたちの特別賞<片山晋呉>
ジャパンゴルフツアーは2006年の日程を終えて賞金王や賞金シード、来季の出場権など無事決定しました。先週4日(月)には部門別ランキングの1位者を表彰する『ジャパンゴルフツアー表彰式』が都内の東京全日空ホテルで華やかに行われました。
各部門の1位者と、来季のシード選手を称える目的で2000年から始まったこの『ジャパンゴルフツアー表彰式』は、1年間ツアーを支えてくださったスポンサー、関係者やファンのみなさまに、選手のほうから感謝の気持ちを示す場でもあります。
2002年から設定された『ベストサポート賞』がまさに、その顕著な例。表彰対象者が豪華な賞金や賞品を受けたあとに、今度は選手のほうから、その年いちばん自分を支えて下さった方を壇上に呼び寄せて表彰する、という趣旨のこの賞はもともとは湯原信光の提案から始まったことでした。
その年、パーオン率1位のスピーチで「F1には、ドライバーズポイントという賞のほかに、コンストラクターズポイントといって、技術スタッフにも賞を与える制度があります。ぜひゴルフもこれにならって来年以降は、支えてくれたスタッフが選手と一緒に賞を受けられるような機会を、ぜひ設けていただきたい」と、話したことがきっかけだったのです。
そんなわけで、今年も選手を芯から支えてくださった方々が選手とともにスポットライトを浴びたわけですが、会場の片隅でその“番外編”ともいうべき受賞式が行われていたことを知る人はあまりいません。
3年連続の賞金王に輝いたほか最優秀選手賞など計5部門での受賞となった片山晋呉が、上機嫌で表彰式会場を出てきたときのことでした。頬を紅潮させながら、前に進み出たのは専属キャディの新岡隆三郎さん。
手に捧げ持っていたのは、のし紙のついた箱。そこには「ベストサポート賞」との、のし書きが・・・。さすがの片山も、これには目を丸くして「何なに?! お前から俺に、ベストサポート賞をくれるっていうの?」と、大喜び。その場ですぐにリボンを解いて、出てきたのはあったかそうなカシミアのマフラーでした。
新岡さんは、8年前にも片山のバッグを担いだ経験がありましたが今年復帰元年。新岡さんにとっては、まさに波乱万丈の1年間でした。何しろ相手は、いま男子ゴルフをしょって立つ男です。レベルの高さについていけず、大目玉を食うこともしょっちゅうでした。本来ならば、キャディが選手を支えるところですが、「うちの場合は、キャディが選手に支えられてるという状況で・・・」と、新岡さんは頭を掻いた。
そんな申し訳なさと、1年間の感謝の気持ちを、今回の逆・ベストサポート賞にこめたというわけなのでした。
「・・・それで? これで車を磨けばいいのかな?」と、冗談を言いつつも、その週に行われたシニアVS女子VS男子の対抗戦『3TOURS CHAMPINSHIP 2006 IMPACT!』にやってきた片山の首には、しっかりあのマフラーが・・・。
これには、新岡さんもさらに感激。「来年も頑張って、シンゴさんについていきます!」とさらなる忠誠を誓っていました。