ツアープレーヤーたちの習性<市原建彦>
今週の全英オープンで、初のメジャー舞台を踏む市原建彦(たつひこ)には、ちょっと意外な習性がある。実はプロ9年目にしてトーナメント会場で、「クラブハウスのロッカーを一度も使ったことがない」というのだ。
朝は、宿泊先ですっかりラウンド用の準備を済ませて出発。そのままウォーミングアップのため練習場へ直行する。やはりホールアウト後もロッカーには寄らず、そのまま練習場へ。打ち込み、パター練習が済んだら、弟でキャディの大輔さんとその姿のまま駐車場に向かう。
キャディバッグは、毎日必ず宿泊先まで持って帰る。たいへん残念なことだが以前、ロッカーに置いて帰った選手のクラブが盗まれる事件が起きた。市原は直接、被害にあったわけではないが用心深い性格。
「・・・それに、ものすごい面倒くさがり屋でもあるんですよね(笑)」
わざわざロッカーで着替えたり風呂に入ったりするより、近くの銭湯やサウナに直行してさっぱりと汗を流し、「その足でメシを食べに行くほうがよほど合理的」と考えているようだ。
たま~にロッカーを使うときもあるそうだが、「それも朝、その日使わないアイアンとかパターとか2、3本を僕がロッカーに置きに行くくらい。アニキがロッカーに入ることは、まずないですね」と、大輔さんは証言した。
今週、揃って大舞台に降り立つ。
「メジャーの空気を、2人で思い切り味わって帰りたい」という市原兄弟。
・・・会場のロイヤルリバプール、通称“ホイレーク”のロッカールームも、やはり一度も使うことなく帰ってくるのだろうか。帰国したら、ぜひそのあたりも聞いてみたいと思う。
トーナメントで起こったルール裁定の実例
<ウッドワンオープン広島>
2日目、15番ホール(パー5)のセカンド地点で競技委員要請があった。プレーヤーAはティショットを左サイドのOBがある林の方向に打ち込んでしまい暫定球を打ってセカンド地点に進んだ。プレーヤーAは最初の球を少し捜したが直ぐにあきらめて最初の球があると思われる所より少し前にある暫定球をプレーした。プレーヤーAが暫定球をプレーした後に、同伴競技者のキャディーが最初の球を見つけそれが5分以内とのことであった。
競技委員の裁定は、最初の球があると思われる場所、またはその場所よりもホールに近い地点にあった暫定球をプレーした時点でその球はインプレーとなり5分以内で最初の球が見つかっても最初の球でプレーすることはできない旨プレーヤーAに伝えた。
読者の皆さん、5分以内に暫定球をプレーするときは最初の球があると思われる地点を越えて打つか、越えない所で打つかで違ってきます。初めの球があると思われる場所かその場所よりホールに近い地点から暫定球をストロークするまでは、プレーヤーがその暫定球でいく度プレーしても、初めの球は紛失球とはならない。 規則27-2b 裁定集27-2b/4
<PGMシリーズ第1戦CCザ・レイクスチャレンジ>
1日目、9番ホール(パー5)セカンド地点で競技委員要請があった。当日追加ローカル・ルールで「芝草の短く刈ってある区域」にある球は1クラブレングス以内にプレースできる規則が出ていた。プレーヤーAはフェアウェイをキープしたので追加ローカル・ルールを適用しようと球をティーペックでマークして拾い上げた球を拭いてホールに近づかない1クラブレングス以内のところにプレースをしようとしたら先ほどマークに使ったティーペックは自分のキャディーさん(共用)が誤って拾い上げていました。
競技委員の裁定は、誤ってマークを拾い上げたキャディーさんはプレーヤーAのキャディーであることからプレーヤーAに1ペナルティーとした。 尚、場所は特定できたのでそこにマークを戻し、そこから1クラブレングス以内のところに球をプレースした。 規則20-1
読者の皆さん、自分のキャディーのあやまちは全てプレーヤーに付きます、ご留意を・・・・・・・