国内男子ツアー

2006年最初のチャンピオン<ウェイン・パースキー>/東建ホームメイトカップ

2006/04/17 09:00
ウェイン・パースキー

最後は、豪州勢が大会を盛り上げた。340ヤードの最終18番パー4。最終組のブレンダン・ジョーンズがワンオンに成功して2位に浮上すれば、同じ組のウェイン・パースキーは、ツアー初優勝。

同級生の2人は、ジュニア時代から一番の友人で、そしてライバル。パースキーはかつてクイーンズランドの、ジョーンズはニューサウスウェールズのNO.1アマとして競り合った。最終日は、まるであのころの再現。
今回はパースキーに軍配が上がったが「やったな!!」ジョーンズは勝者の肩を抱き、自分のことのように、その勝利を祝福した。

下:JR多治見駅にて。大親友のジョーンズ(=右)と次の開催地へ向かうパースキー

パースキーを日本に呼び寄せたのも、ジョーンズだった。
2002年に初優勝をあげたジョーンズは、日本ツアーの素晴らしさをパースキーにとうとうと説いた。それに心動かされたパースキーは、その年QTに挑戦し、2003年の出場権を手に入れた。
しかしシード入りは果たせず、そのあと2年間は母国ツアーで腕を磨いてきた。

再挑戦のファイナルQTでランク12位に入って、出場権を取り戻した今季はちょうど、ジョーンズも米ツアーから引き上げてきて、揃って日本に復帰。
2人で「できるだけ早めに勝とう」と誓い合って迎えた開幕戦で、パースキーがいきなり初シード入りと初優勝をかなえた。
「さっそく、目標を修正しなくちゃね」と、笑い合った。

前半こそ接戦だったが、最後は余裕で逃げ切った。このオフ、コーチのマリー・ロットさんと、集中して取り組んだショートゲームが役立った。
17番のティグラウンドで、2位と2打差つけていることを知って確信した。
「あと2ホールで、パーされ取れば勝てる」。
大親友とのワン、ツーフィニッシュに、喜びも倍になった。

2006年ジャパンゴルフツアーの開幕戦で主役を張った2人は、その2時間後、東建塩河カントリー倶楽部の最寄駅、JR多治見にいた。
大きなバッグパックをかついで切符を買っている様子は、さっきまで激戦を繰り広げていたプロゴルファーにはとても見えない。
まるで友人同士、気ままな世界旅行をしているかのような風情だった。
これから名古屋に出て新幹線に乗り、今週のつるやオープン会場の山の原ゴルフクラブに行くという。

「次は、兵庫県でお会いしましょう!」。
異国の地で、たくましく生きる姿があった。