選手だけではない“移籍組”/LIVゴルフの現場
2022/07/02 11:58
◇LIVゴルフシリーズ◇LIV招待 ポートランド 2日目(1日)◇パンプキンリッジGC(オレゴン州)◇7641yd(パー72)
サウジアラビアの資金を背景とした超高額賞金、PGAツアーとの対立、予選カットなしの54ホール競技といったフォーマットがクローズアップされることが多い「LIV招待」。既存の勢力にとって脅威となる一方、その登場がゴルフ界に新たな動きをもたらしているのも確かだ。まだまだ未知な部分が多い新リーグの現場に潜入する。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
麦わら帽子をかぶってカートに乗り、コース内を巡回する光景は少し前までPGAツアーの日常だった。スラッガー・ホワイトさんは長年勤めてきたPGAツアーを2020年12月に退職。現在は新リーグのルールオフィシャルとして働いている。
「リブゴルフ・インベストメント(LIV Golf Investment)」のCEO兼コミッショナーを務めるグレッグ・ノーマン(オーストラリア)の誘いを受け、新天地に移ることを決意。フロリダ州デイトナビーチでクラブプロとして働いていた息子のシェーンさんも“同僚”になった。
試合中、コース内には10人ほどの競技委員を配置。ホワイトさんのように直接雇われているのは少数派らしく、新リーグとつながりが深いアジアンツアーからの助っ人も動員しているという。
現在の職場と“古巣”PGAツアーの対立は深まる一方だが、「PGAツアーをやめた後に(新リーグに)雇われているから、個人的には特に問題もない。今はここで幸せだよ」と笑顔で話す。新たな勢力の登場は、選手に限らず、さまざまな人の第2、第3の人生を後押ししている。(オレゴン州ノースプレインズ/亀山泰宏)